「まだらメソッド」を展開する
7つのステップ

~グローバル化じゃなくてネットワーク化

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日本企業の特徴を「緑」、外資系企業の特徴を「青」で表し、日本的経営と外資的マネジメントが混在する「まだら模様化」(緑に青が混ざる部分的外資化)の考察を進めると、「緑と青の対立」という現実に突き当たる。要するに、緑と青は相容れないのである。まだら模様化した組織が抱えるこの問題の解決方法を探るため、その鍵を握るリーダー人材の開発に焦点を移したい。

まだら模様は分割統治になりやすい

 デジタル技術が普及したことで、情報と人間関係(ソーシャルネットワーク)を、スマホで持ち運べるようになり、誰でも同じ情報に同時にアクセスできるようになった。情報へのアクセス面で、情報格差がほとんどなくなり、いわば「情報民主化」の時代が到来した。

 従来は、企業の上層部に情報を集め、そこで答を出し、情報や答を送り出していた。その他の人々は、情報へのアクセスが限られているので、答を出すよりも答を受け取る側になっていた。それは、出た答えに、追いつき追い越せの時代だった。また、いったん答がでれば、みながそれを答えとして受け入れて、かなりの期間その寿命が続いた時代であった。

 ところが、情報へのアクセスの点での格差がほとんどなくなった今、答を生み出し、答を送り出す点でも、企業の上層部が独占するというのは意味をなさなくなってきた。もはや、上層部の答が、唯一の答としては受け止められなくなった。答を誰かが考えてくれて、それを習うという時代とは違い「あなたはどう考えるのか?」が常に問われる時代になったわけである。

 同時に、情報アクセス面で格差がなくなった今、情報に基づいて考えることができる人の数が一挙に増大したので、自分で答を考えるときに、他の人たちの考えを活用する可能性も高まった。ここにも情報民主化の威力が及ぶ。もはや、情報専制時代と異なり、非常に多くの人、理論的には人類全員の頭脳を、あなたが必要とする答の創出に動員できるようになった。

 情報アクセスでの民主化は、答の創出面でも民主化を生み出す。リアルタイムでどこのだれとでもコンタクトをとることができる。それも1対1の関係に限定されずに、個性的で多様な人々の間でN対Nという形のネットワーク型コミュニケーションが可能になってきた。

 他方、情報民主化は、グローバル化と自然に組み合わさり、情報の発信主体や受信主体は、もはや先進国の人材だけでなく、新興国、あるいは新興国予備軍の人材にまで及ぶ。いろいろな人が出す考えや答を、意味のある形にまとめる作業は簡単ではない。皮肉なことに、情報民主化によって当事者が幾何級数的に増大していることも、世界から正解を奪い、答のない時代を招来する一因となっている。

 いずれにしても、情報民主化とグローバル化が重なり合う世界における情報の流れ方の変化に、情報を処理する組織・人の能力がまだ追いついていない。

 たとえば、従来型の組織は基本的に階層組織で、そこでは、情報が上から下にリニアで、一方向に、継時的に流れることを想定している。階層組織の人間の頭の中の回路も、階層的な序列に同調している。そのような階層組織・序列に同調した頭脳は、全方向・ネットワーク状・リアルタイムに流れる情報や、厚みをぐっと増した情報を扱うことはお世辞にもうまいとはいえず、情報民主化時代の情報の流れとミスマッチを起こし続けている。このミスマッチを比喩的に表せば、上から下にリニアに流れることを想定した「川」という回路に、多方向から大洪水が押し寄せたような状態になっているといえるだろう。

 このような状態に直面して、組織の形態を、階層組織から、緩やかな階層組織(loose hierarchies)や並列構造組織(heterarchy)などに変える模索が始まっている。情報民主化というすさまじい情報激流の中で、組織形態の変化が起き、組織内外の情報のつなぎ方、情報の担い手の人材のつなぎ方に大きな変化が起きている。

 この中で、まだら模様を構成する緑や青はどう位置付けられるのか。いったん、情報の流れを止めて静止画像で見てみよう。

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