多様性に伴う「居心地の悪さ」こそ
チームの成果を高める

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人材多様性と業績の関係については、いまだ議論が続いている。多様性はいかにチームのパフォーマンスに寄与するのだろうか。


 多くの研究によれば、人材多様性(ダイバーシティ)はビジネスの成功と関係がある。先天的なもの(人種、性別など)であれ、後天的なもの(経験、文化的背景など)であれ、それは同じだ(英語論文)。

 たとえば、506社を対象とした2009年の分析によると、人種あるいは性別が多様な企業ほど、売上高、顧客数、利益が多いことが明らかになっている(英語論文)。また91ヵ国の2万社超を対象とした2016年の分析では、女性幹部の多い企業のほうが収益性が高いことが示された(英語論文)。2011年の研究では、経営チームの学歴と職歴がより多様な企業のほうが、革新的な製品を生み出していることが判明した(英語論文)。

 これらは単なる相関関係にすぎない。だが実験室環境での実験でも、多様性がチームのパフォーマンスに及ぼす直接的な影響が示されている。たとえば、模擬陪審を使った2006年の実験では、黒人の陪審員が加わると、白人の陪審員は事件の事実関係をより慎重に吟味し、実りある協議を行った(英語論文)。

 多様性に関する世間の詮索はますます厳しくなり、業績へのメリットも意識されるようになっている。こうした状況下で多くの企業は、より多様な人材を採用して、留めようとしている。ただ、いまのところその成果はごく限られている。

 その重大性と比して、企業がさほど前進できていないのはなぜだろうか。

 理由の1つは、実際の証拠とは裏腹に、同質なチームのほうが成果を生むと強く「感じられる」からだ。加えて、多様性に富むチームはより大きな対立を生むと(実際はそうでもないのだが)信じられている。これらの偏見を明らかにすれば、対抗手段も見えてくるはずだ。

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