ビズリーチ期待の若手が、仕事観を描く

DHBR連載「リーダーは『描く』」の取材現場レポート

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DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー連載「リーダーは『描く』」。連載にご登場いただく方のほとんどは絵を描くことに慣れていないため、開始当初はどこか硬い表情の方が多いです。しかし今回の南壮一郎社長に漂っていたのは、ほかの誰にもなかった「余裕」。実はこの「描く」プログラムは4回目ということ。「描くことに慣れている」南さんは、今回はある決意をもってワークショップに臨まれました。いっぽう、はじめてワークショップに参加することになったのは、昨年と一昨年に入社したばかりの若い3人の社員です。去る10月3日にビズリーチ本社で行われたワークショップの模様をお届けします。

参加者はみな鋭い感性の持ち主だった

 ワークショップは、いつものように「鑑賞ワーク」から始まりました。ホワイトシップのアーティスト、谷澤邦彦さん(kuniさん)の絵を鑑賞し、その絵からそれぞれが感じたイメージを言葉にするというプログラムです。絵を描くことから遠ざかっている人、絵を鑑賞してこなかった人にとって、絵に近づくためのアプローチとなる時間です。みなさんは戸惑いながらも、絵を食い入るように見つめて何かを感じようとしていました。


荒井利晃さん

 この絵に「山・太陽」「日の出」「はじまり」というイメージを抱いたのは、2014年に新卒で入社した荒井利晃さんです。荒井さんは入社から2年半の間、キャリアトレック事業本部でエンジニアリングの仕事をしていました。ワークショップの当日は異動初日。人事部門の採用担当として新たなキャリアに足を踏み出したばかりです。この日は、午前中に内定式に参加したあと、会場に駆けつけてくださいました。

「昔から音楽はやってきましたが、絵を描くのはあまり得意ではないので、今日はがんばりたいと思います」


古野了大さん

「お母さんのお腹の中」「これから出発」「2つの世界がつながろうとしている」というイメージを挙げたのは、プロダクト開発部長を務める古野了大さんです。2015年11月に某教育系企業から転職してきた古野さんは、ビズリーチ史上、最年少部長だそうです。ワークショップの直前にお子さまが生まれたばかりだという古野さん。絵から受けるイメージにも、そのことが影響したようです。

「芸術的な絵からは、かなり遠ざかっていますね。ただ、昔から教科書やノートの端っこに落書きを書くというのはよくやっていました。今日は、それをうまく生かせればいいなと思っています(笑)」

 今回、唯一となる女性参加者の本田沙貴子さんは、「母の愛」「夕方の家族」「あたたかみ」「ちょっとした寂しさ」というイメージを挙げました。荒井さんの同期として2014年に新卒で入社した本田さんは、人事で採用担当業務に従事しました。今年の8月に異動し、現在は新卒事業の立ち上げプロジェクトに参画しています。

「絵を見るのが大好きで、よく美術館に行っています。ただ、自分で絵を描くのはほとんどやってこなかったので、今日は楽しみです」

 この3人は南さんが選んだといいます。

「どのような基準で選んだのですか?」

 ワークショップを主催するホワイトシップ代表の長谷部貴美さんの問いかけに、南さんはニヤリと笑いながらこうつぶやきました。


南社長と参加者の皆さん

「ノリ、ですかね。いや、ハーバード・ビジネス・レビューっぽい人選かな」

 ノリ? 

 ハーバード・ビジネス・レビューっぽい人選?

 捉えどころのない南さんの回答ですが、南さんの言葉、態度、まなざしから、3人のみなさんに多くの期待を寄せている様子がうかがえました。

 昔から物事を半歩引いて見る傾向があると自己分析する南さんは、kuniさんの絵から「目の内側からの景色」「ナミダあふれる」というイメージを受けたといいます。

「人生でもっとも苦手なのが美術なんです。中学では5段階評価の2。完璧な答えがないものが好きではなかったんでしょうね。でも、7年前にワークショップにはじめて参加してから、前回までの3回の体験を通じて、自分のなかにある固定概念に気づき、だんだんとその固定概念から自由になってきたような気がします」

 鑑賞ワークの最後に、kuniさんがこの絵のタイトルを明かしました。

『陽春』。

絵を鑑賞する参加者。

 kuniさんの見方と、参加者の見方は違いました。しかし、kuniさんが強調するのは、決して正解はないということです。kuniさんも、あるテーマをもって描いたのではなく、心のおもむくままに描いたあと、自らの作品を鑑賞したうえでタイトルをつけたのです。同じものを見ても、人によって見方、感じ方が違うことを体感する時間となりました。

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