何これ、おもしろすぎる!
サーチ・インサイド・ユアセルフの衝撃

マインドフルネス鼎談:篠田真貴子×石川善樹×荻野淳也【前編】

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気づき、気づき、気づき

荻野:石川くんはマインドフルネスな状態のことを、「気づきのトレーニング」と言っているけど、SIYのトレーニングを受けて何か変わったことはある?

石川:僕はかなり変わったと思います。

荻野:そうですよね、私から見てもそう思いました。

篠田:え、どういうところが? すごく興味あります。

荻野:第1回目の講師養成コースのトレーニングのテーマが、自分の感情の動きに気づくこと、相手を受け入れながらラポール(信頼関係)を築くことだったんですが、石川くんはかなり戸惑っているように見えたんです。それが回を追うごとにオープンマインドに、雰囲気が柔和になっていくのを感じました。

篠田:それは、最初はロジックで理解しようとしていたけど、違う道が見つかったという感じですか?

石川:そうですね。マインドフルネスでよく言われる「いまこの瞬間に注意を向ける」って、僕からすると、もういきなり意味不明で。いまってなんですか?っていう。

篠田:そもそも時間とはなんぞや?ってことですね。

石川:そうそう。研究って、基本的には一個一個定義しながら進めていくんですけど、プログラム中は「いまって何ですか?」みたいな空気を読まない発言はせず堪えていました(笑)。でも辛抱した甲斐があって、いまでは毎日なにかを発見しているような感覚なんですよね。「気づく」ことが本当に多くなったと思います。

荻野:企業研修でも、同じような声をよく聞きますね。2分間集中してひたすら相手の話を聞くマインドフル・リスニングというプログラムをやると、まずいかに自分が人の話をちゃんと聞いていなかったかに気づく。次に、相手が自分の話をちゃんと聞いてくれているとは限らないということに気づく。つまり当たり前だと思っていたことが、実はそうでもないという発見がある。これは、「マインドフルネス」な状態であるからこその気づきだと思います。

人はなぜ怒る?

荻野:マインドフルネスな状態という感覚、篠田さんは日常生活の中であります?

篠田:私にとっては毎日夕飯をつくっているときが、マインドフルネスな状態になる時間で、特に野菜を切ったりしている単純作業のときですね。難しい交渉のワンシーンとか、職場のコミュニケーションとかを思い返しながら、自分の荒れた感情を見直しています。

荻野:マインドフル・クッキングですね。そういうイライラ感情を放置しないで見直せるのもマインドフルネスの効果だと思います。

篠田:おふたりはトレーニングを受けられて、イライラしている最中でも感情の動きに気づけるようになりました? 自分はさっきの夕飯時みたいに、時間が経って心と体の動かし方が違う時にスイッチが入って、事後的にやっと気づける。そこはトレーニングでリアルタイムで気づけるようになるものですか?

石川:女性のほうが、男性より気づきにくいかもしれませんね。気づくためには、前頭前皮質が活発になって理性が働く必要があるんですけど、ストレス状況下ではコルチドールが前頭前皮質にたまって理性が働きにくくなる。そのときに女性ホルモンが強いと、感情が脳に鎮座してしまっている状態なんです。

篠田:なるほどねえ。あと夫婦で言い合いをしてしまったときによくあるのが、実は子どものほうが落ち着いていて、後日「ママ、こないだパパに怒ってたでしょ。あれはよくないよ」って(笑)。

荻野:子どものほうが妙にマインドフルネス。

石川:人って、大切なものを侵害されたときに怒るんですよね。だから、子どもに怒るときは、別にあなたに怒っているんじゃなくて、パパが大事にしているものが侵害されているから怒っているんだよと。そして、「さて、パパは何を大事にしていたのでしょう?」とクイズをしてみる(笑)。

後編につづく)

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