何これ、おもしろすぎる!
サーチ・インサイド・ユアセルフの衝撃

マインドフルネス鼎談:篠田真貴子×石川善樹×荻野淳也【前編】

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土曜日の午後4時、ヨガとの遭遇

荻野淳也(おぎの・じゅんや)
一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート代表理事。 リーダーシップ開発、組織開発の分野で、コンサルティング、エグゼクティブコーチングに従事。外資系コンサルティング会社勤務後、スタートアップ企業のIPO担当や取締役を経て、現職。マインドフルネスなどの手法を用い、リーダーの変容や企業の変革を図っている。共著に『世界のトップエリートが実践する集中力の鍛え方』(日本能率協会マネジメントセンター)、監訳書に『マインドフル・リーダー』(SBクリエイティブ)がある。

荻野:僕がSIYを知るきっかけとなったのは、ヨガスタジオでした。今から10年くらい前、IPOブームの最中にベンチャー企業の上場担当者をしていて、徹夜続きで疲れ切って鬱一歩手前という状態のときに、友人の勧めでヨガスタジオに行ったんです。今でも覚えていますが、土曜日の午後4時。60分ヨガをして、30分瞑想。それがもう衝撃的な体験で。終わったら頭と心がすっきり、目の前の霧が晴れて、見るものすべてが美しく思えてきたんです。

篠田:それは何回目くらいで?

荻野:たった一回です。マインドフルネスな状態というものをそのとき初めて知り、これはビジネスパーソンに伝えなきゃという直観があって、半年後にそのヨガスタジオに転職します。

篠田:えええ!

荻野:そこでヨガと瞑想と人材開発を組み合わせた法人向けのプログラムを開発して、しばらくして独立した後に、グーグルも同じようなことをしていると知るんですね。それでいてもたってもいられなくなってサンフランシスコにわたり、SIYを広めている組織のボードメンバーの方に直談判して、その場で、日本で開催する1回目のSIY研修プログラムの日程を決めてしまいました。

篠田:その研修を、私が受けたんですね。

荻野:そうです。2014年に1回目のSIYプログラムがあって、その翌年に、SIYの講師養成トレーニングを受けにまたサンフランシスコに行くんですが、そこで出会ったのが石川くんでした。

2000時間の瞑想

石川:もともと僕は仏教系の学校(世田谷学園中学校)に通っていたこともあり、中学の頃から毎朝座禅をやっていたんです。

石川善樹(いしかわ・よしき)
予防医学研究者。(株)Campus for H共同創業者。 1981年、広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業、ハーバード大学公衆衛生大学院修了後、自治医科大学で博士(医学)取得。「人がより良く生きるとは何か」をテーマとした学際的研究に従事。専門分野は、予防医学、行動科学、計算創造学、マーケティング、データ解析等。講演や、雑誌、テレビへの出演も多数。NHK「NEWS WEB」第3期ネットナビゲーター。著書に『疲れない脳をつくる生活習慣』(プレジデント社)、『最後のダイエット』、『友だちの数で寿命はきまる』(ともにマガジンハウス社)、『健康学習のすすめ』(日本ヘルスサイエンスセンター)がある。

篠田:え、毎朝!?

石川:そうなんです。座禅をしていると棒で肩を打たれるのですが、まず言われたのが、「頭を傾けろ、そして決して頭を動かすな」と。もの凄い勢いで棒が降ってくるんですが、傾けた頭をうっかり戻しちゃって、耳がとれた人もいるから決して頭を動かすなと脅されました(笑)。

篠田:座禅って、中学生でも気持ちよさを感じるものなんですか?

石川:最初は痛いんですけど、だんだん気持ちよさを感じてきます。でも、あれ悟ってきたかな、と思ったときはたいてい寝ていて、気づいたら棒が「ばしーん!」です。

篠田:ただ寝てただけ(笑)。

石川:そうそう。いま僕は予防医学という分野の研究者で、ゆりかごから墓場までどうやって元気に過ごすか、ということに取り組んでいるんですが、教育であれ、ダイエットであれ、仕事であれ、どの領域でもメソッドとして注目度が高まっていたのが、マインドフルネスだったんです。それで『サーチ・インサイド・ユアセルフ』を読んでみたら、マインドフルネスの本質はどうも坐禅だけじゃないということがわかり、じゃあトレーニングを受けに行こうと。

荻野:いきなり行ったんだ?

石川:はい。なんでも、教える側に立てば学べるんじゃないかと。

荻野:実はこの講師養成トレーニングは世界中から応募があって、倍率が10倍もあるんです。応募要件も細かくあって、組織でのリーダー経験とか、トレーナー経験とか。あと2000時間の瞑想時間。

篠田:応募要件に! でもそれって…

石川:僕、達成していたんです!

篠田:何がどこで活きるかわからないもんですね(笑)。

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