明るさに満ちた現場で、
SMFLキャピタルの社員が描いた絵

DHBR連載「リーダーは『描く』」の取材現場レポート

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DIAMONDハーバード・ビジネス・レビューの連載「リーダーは『描く』」。今月は三井住友ファイナンス&リースグループの一角、SMFLキャピタルの安渕聖司社長が登場されます。SMFLキャピタルは、9月5日に日本GE合同会社から社名変更したばかり。安渕社長と一緒に描くのは、安渕さんが直接関わったことのある若手社員のみなさんです。安渕さんを含む4人でのワークショップの予定が、蓋を開けると5人で描くという予想もつかない展開に。いったい何があったのか。そして、5人の参加者はどのような絵を描いたのか。ワークショップ当日の様子をお届けします(構成・新田匡央、写真・鈴木愛子)。

突然の「ムチャ振り」で飛び入り参加

 梅雨明け間近の7月25日。赤坂・ホワイトシップのギャラリーに、日本GE合同会社(当時。現SMFLキャピタル)のみなさんが集まりました。安渕さんをのぞく3人の参加者は、互いに面識はあるものの深い交流はないといいます。何をやるかはっきりと知らされていなかったこともあって、部屋に入ったみなさんの間には、少し固い空気が漂っていました。

 その空気を明るくしていたのが社長の安渕さんです。スタッフとの会話で場を盛り上げたり、社員のみなさんに声をかけたり。そのムードメイクは絶妙で、会場はあっという間に笑みがあふれる空間に変わりました。その雰囲気のままワークショップが始まろうというとき、広報担当としてワークショップに立ち会っていたマーケティング本部コミュニケーション部の大橋裕志さんに、ホワイトシップ代表の長谷部貴美さんが声をかけます。

「あれ? 一緒に描かないんですか?」

 突然の言葉に、大橋さんの表情はみるみる変わっていきます。

「え? うそ? ちょっと待ってよ~」

 そんな文字が吹き出しで浮かんできそうな表情です。

「いやいや、今日は広報として立ち会っているだけですから」

 大橋さんは苦笑いを浮かべ、長谷部さんの誘いを固辞します。

 しかし、周りの皆さんは納得していない様子。安渕社長、参加者のみなさん、そして会場にいるスタッフ全員の目が大橋さんに注がれました。

 総勢13人、26個の目は、明らかにこう語っていました。

「描くよね、もちろん」

 もう無理、絶対に逃げられない―――。

 大橋さんはそんな圧力を感じ取ったのでしょうか。すぐに観念し、今回のワークショップは5人の参加者で進められることになったのです。

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左から参加者の田中さん、大橋さん、村瀬さん、安渕社長、池田さん。

 その1人、フリートセールス営業統括本部パートナー営業本部で内勤営業に従事する村瀬美保さんは、現在の部署に十数年間勤務されているといいます。

「長年同じ部署で仕事をしていると、何かを変えなければならないということを常に考えるものです。でも、そのきっかけをつかむのはなかなか難しいもの。今日のワークショップが、その機会になればいいなと思っています」

 ベンダーファイナンス営業統括本部SA営業本部の池田真一さんも、村瀬さんと同じく10年ほど同じ部署に勤務されていると話します。

「どうしても先入観にしばられてしまう傾向があります。新しい視点を持ちたい、スイッチを入れる機会にしたい、そう思って参加しました」

 キャピタルファイナンス営業統括本部営業企画本部の田中祐見さんは、ワークショップに参加するにあたって、こんな思いを持って来られたといいます。

「現在の部署は企画の仕事で、人を巻き込んだり、新しいことをやったりしなければなりません。でも、前例にないことや新しい発想は、そう簡単に出てきません。このワークショップで、何かきっかけがつかめればと思って来ました」

 3人を集めたのは安渕さんです。その理由をこう語ります。

「彼らはトレーニングプログラムなどで一緒になった若手です。ただ挨拶するだけの関係よりも、もう少し深いつながりのある人たち。そんな人たちと一緒に何かができたらと思って声をかけました。急遽、もう1人加わりましたけど(笑)、より多様になってよかったと思いますよ」

大橋裕志さん

 そのもう1人が、突然巻き込まれた大橋さんです。

「広報に赴任してから、まだ1ヵ月ぐらいしか経っていません。今日のワークショップの立ち会いは、外に出る初めての仕事です。さっきまでは、キッチリ仕事をしようと気合いが入っていたのですが、こういうことになってしまいました。でも、すでに気持ちは切り替わっています。どんな状況に置かれても、弊社の社員は素早く気持ちの切り替えができる。そんなところを見せたいと思います!」

 そんなみなさんが参加されるこのワークショップは、「絵はもっと自由に描いていい」という思いを伝えようと子ども向けに考案され、2002年に始まったものです。その後、それを大人向けに実施できないかという要請があり、2004年から大人向けにアレンジしたワークショップがスタートします。今では、企業向けにアレンジした「Vision Forest」という組織変革アプローチとして発展。2015年には、参加者がのべ1万人を突破しました。

 ワークショップを共同で提供するのは、アート教育の企画・運営やアーティストのマネジメントを行う株式会社ホワイトシップと、ビジネスコンサルティングサービスの株式会社シグマクシスです。本誌の連載「リーダーは『描く』」では、両社の全面協力のもと実際にワークショップを実施し、その様子を記事化しています。

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