Going Digital 社会、市場のデジタル化を日本企業変革のチャンスにする

サーキュラー・エコノミーに
日本企業はどう踏み出すべきか

1

使われていない資産の無駄を収益に変える新成長戦略「サーキュラー・エコノミー」は欧米では取り組む企業が着実に増え、ビジネスモデルのクオリティも上がってきている。日本企業がサーキュラー・エコノミーの競争優位性「サーキュラー・アドバンテージ」を手に入れるためにはどのような取り組みが必要なのか。

買い替え需要を創出する
“強制陳腐化モデル”はもう通用しない

――『Waste to Wealth』では「使われていない資産の価値を収益に変えるべき」と提言しています。改めて、著者がこう説く背景について教えてください。

牧岡 宏(まきおか・ひろし)
アクセンチュア 戦略コンサルティング本部 マネジング・ディレクター
東京大学工学部卒業。マサチューセッツ工科大学経営科学修士修了。丸紅、ベイン&カンパニーを経て2014年より現職。全社成長戦略、組織・人材戦略、M&A戦略、等の領域において、幅広い業界のコンサルティングに従事。

 内閣府の消費者動向調査からも、消費者の製品所有期間が長期化する傾向にあることが見えてきました。ここからいえるのは、消費者はもう新製品に興味を示さなくなったということ。ですから、新製品の投入で既存の製品を時代遅れにし、買い替え需要を創出する“強制陳腐化モデル”は通用しないということです。しかし、この現象は今に始まったことではなく1990年頃から指摘されており、それが20年以上もそのままズルズル続いている状態です。

 では、消費者は新製品を買わない代わりに、既存の製品をフルに活用しているかというとそうでもありません。これまでと同様、自家用車の稼働率は5%以下といったように、他の製品についても「じつはあまり使われていない」ものが極めて多いのです。例えば、処方された薬で飲み残しがあると回答した人は半数以上、本来食べられるのに廃棄されている食品ロスは約500~800トンなど、モノの本来の価値はフルにキャッシュ化されていないのが現状です(下図)

次のページ  「速くて短い事業サイクル」とは何か?»
1
Special Topics PR
Business Model 関連記事
Going Digital インタビュー」の最新記事 » Backnumber
最新号のご案内
定期購読
論文オンラインサービス
  • facebook
  • Twitter
  • RSS