Going Digital 社会、市場のデジタル化を日本企業変革のチャンスにする

「無関心な消費者」を
どうすればインスパイアできるのか

――「アクセンチュア消費者調査2015」から見える企業の課題

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 かつて“従順”だった消費者は“わがまま化”のステージを経て、いまや“無関心化”しつつあります。なかでも、無関心な消費者が多数派を占めている日本の企業は、「無関心化する消費者」との付き合い方を模索すべき時期に直面しているのです。

有効なアプローチは
「売買行動代行」と「コト売り化」

――無関心な消費者の行動をいくら調べても、企業にとっては無意味なのではないでしょうか。

 無関心であるからこそ、もう一度、振り向いてもらうためには、消費者の理解が非常に重要になります。

 現在は、センサーなどのテクノロジーを駆使することで消費者データを集めて行動を予測し、消費者自身が気づいていない潜在的なニーズを探り、先回りして提示するといったマーケティングが可能です。そのためにも、無関心化していく消費者に寄り添っていくことが必要なのです。

――具体的にはどのようなアプローチが有効ですか。

 2つのアプローチが考えられます。

 1つは、消費者は購入前に製品・サービスの情報収集・比較検討をせず、自分でもニーズが定まっていないわけですから、「購買行動代行」をすることです。

 代表的な例がアマゾンです(図表P12)。まずは、多様なタッチポイントを通じて顧客の動向を幅広く収集し、そのデータを次の行動が予測できるほど深く分析します。そして、販売チャネルを再デザインして消費者に購買行為を意識させない購買代行を進めています。

 例えば、消費者が定期的に必要とする日用品をクリック一つで注文できる「アマゾンDash」ですね。これだと購買に至るまでのプロセスが省略されているので、さあ買うぞ、といった感じにはなりにくいわけです。さらに、冷蔵庫や洗濯機などの家電とアカウントを連動させ、食品や洗剤など消耗品の賞味・保存期間や欠品を分析・予測して自動発注する「アマゾンDRS」という世界に進んでいます。常温品ばかりか、生鮮食品まで自動的に発注してくれるところまできているのです。

 また、注文履歴や購入頻度、カード情報などを総合的に分析し、顧客が注文するよりも前に、それを予測して近くの配送センターに発送しておく「予測配送」も行っています。

 もう1つは、消費者に代わり、製品・サービスに対するニーズを新たに創り出す「コト売り化」です。つまり、“モノ”ではなく“コト”を売ろうという考え方です。代表的な例が「Nike+」で、「運動を楽しむ」という顧客体験をデザインし、自社製品に対するニーズを創造しています。

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