あのヒット商品が、
たくさん売れても損をした理由

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新製品がヒットしたものの、その成功に見合った利益を回収できず、潜在的な損失を被っている場合がある。その一因が「低すぎる価格設定」だ。価格戦略のコンサルティング会社サイモン・クチャーの専門家が、4つの事例と回避法を示す。


 新しい製品やサービスは不利である。調査によって数字は異なるが、その65%~75%は売上目標や利益目標を達成できていない。我々は、過去30年における何千もの製品の失敗事例を検証し、繰り返される複数のパターンを見出した(新著Monetizing Innovationで詳述している)。

 新製品には、性能・機能が過剰で価格が高すぎるものが多い。また、本来ならば真に革新的なはずのものが、研究開発の段階が長すぎて、市場に出る頃にはもはやユニークさを失っている製品もある。あるいは、誰も気にかけていない問題に応える製品や、もっともな問題に間違った答えを出す製品も失敗している。たとえば、グーグルグラスや電動立ち乗り二輪車セグウェイなどだ。

 だがこうしたイノベーションの落とし穴のなかで、とりわけ油断ならないものが一つある。それはあからさまな失敗を伴わないために気づきにくい。むしろ、市場投入後の売れ行きは上々だ。にもかかわらず、そのヒットに見合った大きな売上げや利益を得られない、というケースがあるのだ。

 この種の市場投入を、我々は「ミニベーション(minivation)」と命名した。企業は、自社の開発した製品が顧客にどれほど大きな価値を提供しうるのかを、正しく認識できない時がある。その結果、顧客の支払意思額を大幅に低く見積もり、本来の価値をはるかに下回る価格をつけてしまうのだ。

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