Going Digital 社会、市場のデジタル化を日本企業変革のチャンスにする

破壊する側になるか、破壊される側になるか
デジタル医療時代における ライフサイエンス企業への処方箋

――患者に対する成果向上に向けた再考、再形成、再構築

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ボリュームからバリューへの移行

 ライフサイエンス企業はリアルワールドデータ、高度なアナリティクス、一連の特化型サービスをますます多用するようになるでしょう。自社の革新的な治療法やデバイスが、データおよびアナリティクスを通して、定量的に治療成果にどの程度貢献したかを証明できることで、適正なリターンが得られる確率が高いからです。しかし、量から価値に移行するためには、新たな分野への投資、そして、現在自社として投資しているR&Dに匹敵する、協調型のオペレーティングアプローチがコマーシャルとメディカルに必要です。この移行における主要な要素は以下の通りです。

ビジネスインテリジェンスのから
予測インテリジェンスおよびマネジメントへの移行

 きわめて高度なアナリティクスのテクノロジーで大量の臨床データに幅広く、容易にアクセスできることは、ますます一般的になっており、そのことだけでは差別化にはつながりません。いま、重視すべき点は他社との協調、バリューベースのデータ取得、高度なアナリティクスのケイパビリティです。これらは、前述の新たなヘルスケアモデル、たとえばケアコーディネーションなど、患者に成果をもたらすモデルへの移行のためには、インサイトを得る必要があり、必要不可欠な取り組みです。また、電子医療記録、ゲノム/遺伝子あるいはソーシャルなソースに由来するものかという視点からは、すべてのデータが「リアルワールド」ではありません。しかし、リターンがバリューベースになり、医療がデジタル化し、市場参入モデルに患者および医療提供者の対面サービスが含まれるようになると、今後はますますそうなっていくでしょう。

 バリューベースで合意を達成するには、次のような基礎的なケイパビリティが必要です。

(1) 診断および治療の選択をサポートする、リアルワールドデータにリアルタイムでアクセスできること

(2) ベースラインを確立するためにこれまでのリアルワールドデータにアクセスできること

(3) 治療中に、臨床医、患者、患者家族を支援して、治療の継続を見守り、治療の反応を観察する、高度な予測アナリティクスおよびエンゲージメントテクノロジー

(4) 契約している製薬会社およびヘルスシステムが情報の非対称性なく利用できる、相互に合意があり、リアルワールドに基づいた、質、アウトカム、価値の指標

 わずか2~4年前でも、こういったものをすべて達成するのは技術的に困難であり、コスト的にも制限があったでしょう。しかし、今日では、技術的にもコスト的にもすべて実現可能です。企業のエコシステムは全体で大規模なソリューションを創出するために力を合わせており、一部名前を挙げるだけでも、Epic7、Apple7、Philipsなどが、アウトカム志向のサービスとエンタープライズを実現しています。プライバシー保護に関する要件は地域によって異なるかもしれませんが、新たに台頭してきたテクノロジーと市場における仲介プレーヤーによって、必要なインフラストラクチャーが導入され、エンドツーエンドのソリューションの提供が可能になるでしょう。

出典

7 Forbes, “Behind Epic Systems’ Alliance With Apple,”

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