Going Digital 社会、市場のデジタル化を日本企業変革のチャンスにする

破壊する側になるか、破壊される側になるか
デジタル医療時代における ライフサイエンス企業への処方箋

――患者に対する成果向上に向けた再考、再形成、再構築

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押し寄せる変化の波(2)

ライフサイエンス企業は……

 自身も、協調相手および競合相手の候補について、見方を変えることを強いられています。消費者サービスおよびB2Bサービスのいずれを提供していても、今日、かつてのテクノロジー企業は明らかにヘルスケア企業になりつつあります。そのなかには新たに「デジタルからヘルスケア」型の企業も含まれています。その例としては、Amazon、Google、Apple、SalesForce、QualCommなどが新世代のデジタルヘルスおよびヘルスケアのインフラストラクチャーに手を伸ばし、Novartis、Roche、Biogenなどと提携しています。一方、「ヘルスケアからデジタル」型の企業にはPhillipsやGEなどが含まれ、既存のインフラストラクチャーを利用して、広範なクラウドサービスに結びつけ、大規模なメディカル版モノのインターネット(IoT)を実現しています。デジタル医療、モニタリングおよびエンゲージメントのアプローチがアウトカムとバリューを実現するにつれて、これらの企業は将来における破壊者、パートナー、そして時には競合相手になっていきます。

患者は……

 ヘルスケアの消費者として、はるかに積極的になり、知識を持つようになっています。アクセンチュアの2015年度調査では、世界の患者1万人のうち65%が、疾病治療を始める前に、より多くのサポートとガイダンスがほしいと述べています1。患者の最大のフラストレーションは、ある状態になる「リスクがある」ことについて告知が不足していることです。同調査ではまた、患者の大多数(81%)は患者の体験を通して利用できるサービスを知らないことが明らかになりました。この知識の欠如は調査対象となった7つの治療分野のすべてに共通していました。これらの知見は、真のヘルスケアの「コンシューマライゼーション」のエビデンスです。ヘルスケアが真に消費者化されると、患者はサービスの質、効力、反応性をよりしかるべく要求します。

 この変化の大波において舵取りをするためには、ヘルスケア業界にかかわる全社の戦略が進化する必要があります。これらの戦略は、ヘルスケアのエコシステムにおいて大きく差別化された役割につながり、基軸は根本から、また継続的に、患者に置かれるようになります。ライフサイエンス企業は、医療提供者のシステム、医師、患者に向けて、製品とサービスを強力に組み合わせ、提供することによって、患者のアウトカムとヘルスシステムのバリューを確実に高めます。

主要なヘルスケアのトレンド

  1. 保険支払者は、患者のアウトカムを高めるか、医療経済効果を上げる、もしくはその両方を達成することによって、成果をもたらすように圧力をかけている。
  2. 財務およびヘルスケア従事者の時間の両面で、ヘルスケアのリソースをより効率的に利用する必要性が高まっている。
  3. デジタルおよびデータソリューションの成熟度が高まるにつれて、複数領域にわたるヘルスケアを提供する能力が向上している。

出典:アクセンチュア

出典

1 Are Patient Services Pharma’s Best Kept Secret? Patients Weigh in on the Patient Experience,” Accenture 2015.

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