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コネクテッド・ビークル
破壊的なテクノロジーで成功を収めるためには?

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コネクティビティ(ネットワーク接続するための技術・機能)は、自動車業界において特に目新しいテクノロジーではありません。しかし、そのビジネス・チャンスは急速に拡大し続けています。業界のエコシステムへの異業種からの新規参入が増えるにつれて、コネクティビティは大きなトレンドとして真の創造的破壊を市場にもたらしています。自動車メーカーは自らの役割を見定め、コネクティビティからいかにして価値を生み出すかを考えていかなければなりません。また、新たな経営モデルを導入し、新たな能力を開発するに当たっては、アクセルを踏むことをためらってはいけません。こうしたためらいは、コネクテッド・ビークルのビジネスで成功を目指す新たなテクノロジー企業との競争に負けることを意味するからです。

コネクテッド・ビークルの躍進

 自動車開発におけるコネクティビティの導入は、急速な広がりを見せています。2025年には、販売されるすべての新型乗用車がコネクテッド・ビークル(ネットワークに常時接続する車)になっていると予想されています(図1参照)

出所:アクセンチュア

 とはいえ、自動車メーカーがこのテクノロジーをさらに活用するうえでは、さまざまな課題が待ち受けています。たとえば、アクセンチュアの調査では消費者は自家用車のコネクティビティの向上に大きな期待を寄せる一方で、必ずしも有料サービスの利用を望んでいるわけではないことがわかっています2。また消費者は、スマートフォンやタブレットなどのデバイスを車内でシームレスに利用できる環境を求めています。

 高まる一方の消費者の期待に応えるために、自動車メーカーは今後、携帯デバイスのコネクティビティに適した、あるいはそれを上回る、より高度な選択肢を提供していかなければなりません。しかし、これは現状のように自社の開発力だけに頼っていては不可能でしょう。

 さらに問題を複雑にしているのが、テクノロジー企業が得意とするきわめて短い開発/リリース・サイクルです。いまや新たな機能やサービスは、数年ではなく数カ月単位のスピードで市場に投入されるのが一般的です。自動車メーカーもこのペースに遅れを取ることはできません。

 つまり、これからの自動車メーカーは単独の力だけでは競争に打ち勝つことはできないのです。市場では今後、強力なコネクテッド・ビークル・エコシステムの集約が進むでしょう。自動車メーカーや大手テクノロジー企業、通信企業、スタートアップ、アフターサービス・プロバイダーといった多種多様な業種がビジネス・パートナーとして共存し、協力し合って、さまざまなソリューションを提供するようになるはずです。

 この新たなエコシステムにおいて、より優れたソリューションを効率的に提供するために、自動車メーカーはたとえばアシスト、リモートアクセス、ナビゲーションといった関連領域で、高度な機能をバンドルすることに焦点を当てるべきでしょう。このような領域でこそ、自動車メーカーは自動車のさまざまな機能性を統合するという戦略的な強みを生かせるはずです(図2参照)。同時に、自動車メーカーは携帯デバイスでホストされる自動車に関連しないサービスの統合も進めていく必要があります。

出所:アクセンチュア

 これら2種類のサービスを支えるコネクティビティの仕組みは同じものではありません。前者は100%埋め込み型のソリューションを、後者は通常、携帯デバイスのデータとコネクティビティを活用します。ただし、自動車のHMI(ヒューマンマシンインターフェース)にシームレスに統合されるという点は同じです。それにより、大型の埋め込みヘッドユニットとプッシュ/タッチ・コントローラー、自動車のオーディオ・システムの入出力利用を最適化することができます。

出典

1 HIS、SBD、GSMA、およびアクセンチュアによる推定。

2 Accenture Connected Vehicle Survey ? What Drivers Want (2013).

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