Going Digital 社会、市場のデジタル化を日本企業変革のチャンスにする

デジタル依存の代償
デジタルは転換点に達したのか?

顧客との関係構築における「デジタル・ディスコネクト」

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企業はデジタルテクノロジーに莫大な投資を行い、顧客とよりパーソナライズされた関係を築いて、そこから収益を伸ばそうとしてきました。しかし、皮肉にも、それらの投資の多くは逆の結果をもたらしています。企業は過度なデジタル依存を行うことによって、かえって高い代償を支払っていることに気づき始めています。成長機会を見極め、顧客が期待する購買体験(エクスペリエンス)を提供するには、企業はデジタルをふんだんに活用しながらも、リアルの顧客接点とのバランスを考えなければなりません。

デジタルテクノロジーの限界

 デジタルイノベーションは顧客リーチを拡大したいと考えていた企業にとってはゲームチェンジャーでした。また、デジタルチャネルによって実現できる価格優位性、手軽さ、アクセスの容易さはこれらの要素を重視する顧客にとっても魅力的でした。アクセンチュア・ストラテジーのGlobal Consumer Pulse Researchによると、88%の顧客は一連のショッピング体験のどこかの時点でデジタルチャネルを利用しています。また、41%の顧客はいままで以上にデジタルを介して企業とやり取りをすることを望んでいます1

 しかし、デジタルは、企業と顧客双方が期待しているウィン・ウィンのエクスペリエンスを常に提供するものではありません。それを示す兆候があります。一例を挙げると、デジタルチャネルが非デジタルでのインタラクションより優れていると考えている顧客はわずか36%でした。デジタルが顧客に熱狂的に支持されているとはとてもいえません。

 また、デジタルは顧客のロイヤルティを高めることにもほとんど貢献していません。2014年、他の人たちに自分の商品・サービスの購入先を推薦したいと考えた消費者は約4分の1にすぎませんでした。また、65%の消費者はすべてあるいは一部の取引を別の取引先に移していました2。このロイヤルティの欠如は小売り、金融、インターネットサービスのセクターでとりわけ顕著です。

 これらの業界の顧客がほかのところに移ってしまう最大の理由はサービス品質が悪いことです。これは皮肉な結果です。というのは、これらの業界は顧客にとってより満足度の高いサービスを提供して顧客をつなぎとめるために、デジタルに真っ先に飛びついたからです。明らかに、デジタルテクノロジーで実現できることとには限界があるのです。

出典

1 Accenture Global Consumer Pulse Research, 2014

2 同上

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