ヤマトグループの国際色豊かな面々が、
絵に込めた強い思い

DHBR連載「リーダーは『描く』」の取材現場レポート

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DIAMONDハーバード・ビジネス・レビューの連載「リーダーは『描く』」。今月は宅配業界の雄、ヤマトホールディングスの木川眞会長です。今回のワークショップは、いつにも増して国際色豊かなみなさんが一緒に描くことになりました。そこには、木川会長がここ10年間で推進してきた「変革」が関係しています。木川会長の真意と、参加者が思いを込めて描いた絵。ヤマトグループの「描く」現場を追いました(構成・新田匡央、写真・鈴木愛子)。

3ヵ国の人々が一堂に会したワークショップ

 羽田、午前9時。

 首都高速横羽線と羽田空港に挟まれた一角に、巨大な建物がそびえ立っています。ヤマトホールディングスの木川眞会長が「ヤマトグループの世界中の施設のなかで、いちばん大きな建物」と評する、羽田クロノゲートです。

 最先端の物流システムを完備したターミナルが24時間体制で稼動し、全国から集まる荷物の仕分けや、付加価値機能と呼ばれる医療機器の洗浄や家電の修理、オンデマンド印刷等も行われています。

 しかも、羽田クロノゲートは単なる物流施設にとどまりません。地域住民との共生を目指すという理念にもとづき、スポーツ施設や保育所、ヤマトグループのスワンカフェ&ベーカリーなどから成る地域貢献ゾーンが併設されているのです。そこで、地域住民が日々交流を深めているといいます。

 その羽田クロノゲートの一角にある建物が、今回の「描く」の会場です。参加者は木川会長と、ヤマトグループの社員が4人。国際色豊かな参加者が、参加にあたっての意気込みを語るところからワークショップが始まりました。

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木川会長と藤野碧さん(左)、金ソルジさん(右)

 ひとり目は、韓国出身の金(キム)ソルジさんです。金さんはヤマト運輸の国際戦略室のスーパーバイザーとして、社内の知的財産を新たなビジネスとして展開する業務に従事しています。

「絵を描くのは、本当に久しぶりです。どんな絵になるか想像もつきませんが、楽しみでもあります」

 藤野碧さんは、ヤマトホールディングスの広報戦略担当として、会場となった羽田クロノゲートに併設された見学コースのアテンダントをしています。この日は、アテンダントのユニフォームを身にまとって会場に入って来られました。

「とても緊張しています。でも、緊張をほどき、既成概念にとらわれず、自分を表現できればいいなと思っています」

 3人目は中国出身の朱暁楠(シュ ギョウナン)さんです。朱さんはヤマト運輸の国際戦略室の室長補佐として、主に海外企業とのパートナーシップの構築を担当されています。

「絵を描くのは何十年ぶりですが、絵を通じて人それぞれの考えを表現するというこの企画はとても面白いと思いました。自分の考えを振り返り、未来を想像しながら、絵を通じて自分を再確認できればと楽しみにしています」

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釘宮あゆみさん(右)と朱暁楠さん(左)

 釘宮あゆみさんは、ヤマト運輸の営業推進部でヤマトグループの経営資源を生かし、新たな付加価値を生む取り組みを模索しています。そのひとつが多摩ニュータウンで展開されている、住民向けのくらしのサポートサービスだといいます。

「日ごろ、仕事でサービスの概念図などを描くことはありますが、本格的な絵を描くのは久しぶり。自分をどのように表現するか、一緒に描く仲間がどのような表現をするのか、楽しみです」

 最後は木川さんです。

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意気込みを語る木川会長。

「10年前から、ヤマトグループはグループの変革を進めていて、私はその先頭に立ってきました。キーワードは多様性。さまざまなものを『混ぜる』ことで新しい文化をつくることを目指しています。多様性を取り入れ、創業からの理念はしっかりと守りながら、新しいことにチャレンジしていく。そのために大切なのは、人の意識を変えていくこと。そうしたことをどのように絵で表現するか。今回は大きな挑戦だと思っています」

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