人脈づくりが苦手な人には
「5つの誤解」がある

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自然にできる人間関係は、似た者同士の集まりになるため大きなメリットはない――。社交家でなくても仕事の人脈づくりに前向きになれる、数々の思考法を紹介。


 充実した人脈があれば、常にさまざまな情報を把握しておける。新しい物事について教えを得ることもできる。自分の創造性を高めてくれる。アイデアを具体化する際に、相談相手として役立つ。急ぎの作業に手を貸してくれる。他にもたくさんのメリットがある(人脈の威力については筆者の英語動画も参照)。

 仕事上の人脈を幅広く多彩にする価値を知る人は、ある程度いる。しかし、それよりもはるかに多いのは、人脈づくりを嫌うほどではないにせよ、本能的に抵抗を感じて苦手とする人々だ。私は人脈の効果的な構築と活用について、20年間教えてきたなかで気づいたことがある。人々にとって最大の壁は往々にして、スキルではなく考え方の問題なのだ。

 MBAコースの生徒、および企業の幹部が繰り返し直面するジレンマに耳を傾けてきた私は、次の結論に達した。人脈のメリットを十分に引き出せないのは、5つの基本的な誤解があるからだ、と。

 あなたに二の足を踏ませているのは、以下のうちのどれだろうか?

●誤解1:人脈づくりはほとんど時間の無駄

 人脈づくりの経験が足りないと、そもそも時間を費やすに値するのか疑問に思う人がいる。進展中の関係が、現在の業務に直結するわけではない場合はなおさらだ。

 ラテンアメリカ人のジョーが幹部を務める某大企業は、コラボレーションの強化を進めている。彼の国を訪問する同僚は全員、彼に面会を求めるそうだ。昨年1年間で約60人に会ったが、日常の業務もあるため重い負担である。これが最善の時間の使い方だろうか、と疑問に思うのも当然だ。

 こうした問題はありがちだが、不可避ではない。すべては自分の人脈のあり方、そして取り組み方次第なのだ。ほとんどの人は、人脈に意識的であろうとはしない。ジョーのように、ただ相手の求めに応じるだけであり、他者に接触するのは何か具体的な用件がある時のみだ。それよりも、自分が重視するテーマに照らして戦略的に重要だと思える相手に接触するほうが、見返りは大きい。

●誤解2:人脈づくりの才能の有無は生まれつきで、基本的には変えにくい

 人脈づくりは外向的な人にとってはたやすいが、シャイな人の内向的な性格とは相容れない――多くがそう考えている。そして、自分には人付き合いの才能が生まれつき欠けているという思い込みがあると、人脈づくりに努力しない。労力のわりに大して報われないだろうと考えるからだ。

 スタンフォード大学の心理学者キャロル・ドゥエックは、次のような研究結果を示している。知性やリーダーシップといった個人の属性は、先天的なもの(生まれ)か、それとも後天的に身につくもの(育ち)なのか。人はどちらを信じているかによって、簡単には修得できない何かを学ぶ際の努力量が大きく変わるという。前者、つまり「固定」思考の人は、能力とは本質的に生まれつきのものだと考える。これに対して「成長」思考の人は、能力は時間とともに伸ばせると考えている(ゆえに、より努力する)。

 そしてクワバラ、ヒルデブランド、チョウの3氏による論文も、それを示している(英語論文)。人脈づくりは後天的に伸ばせるスキルだと考える人は、固定思考の人に比べ、人脈を向上させようという意欲がある。そしてよりいっそう努力し、多くの見返りを得やすいという。

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