組織の本当の問題は、見えない

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今月のハーバード・ビジネス・レビューは「組織の本音」を特集した。制度や仕組みを変えたからと言って、人の気持ちは変わらないもの。感情をもった人が集まる組織という、最も厄介な対象にいかに向き合うべきか。

 

会社が組織の問題を把握するのは難しい

 多くの意思決定に迫られる経営者。事業の問題もあれば取引先、資金の問題など実にさまざまですが、組織や人の問題が一番大変と仰る方が多いです。この難しさは問題を把握しようにも、数値化しづらいこと。「ファクトベース」とよく言われますが、組織や人の問題は客観的に観察するのが難しく、ファクトがつかみにくいという固有の問題があります。そして「人」は感情を伴った生き物であること。合理的な判断だけが人の感情のプラスになるとは限りません。

 一方で、経営者のインタビューを読んでいて「わが社は社員が元気に働いている」などの言葉を目にすることもあります。このような言葉をトップが胸を張って公言できるのは素晴らしいことだと思う反面、「言い切っていいのか」と感じることもあります。

 上司が部下に「仕事どう?」と聞くと、「頑張っています」と答えるのが一般的で、「仕事、楽しい?」という答えに、否定的な返事をすることは、実際がどうであれ極めて稀なのではないでしょうか。マネジャーが楽しく明るい職場にしたいと心から思っても、「明るい職場にしよう」と口にすると、かえって部員は醒めてしまうもの。組織への不満は、会社に非常にいいづらいのが現状で、裏返すと、組織の問題を、会社や経営者が把握するのは、非常に難しいのが現実です。この口に出せる範囲が狭い組織の問題は、とてもセンシティブに考え、その機微に敏感でなければ、本当の問題を把握できない。皆が楽しいと言っているから「うちの社員は明るく働いている」と把握してしまうのは、あまりに楽観的すぎる気がします。

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