私の思考法は、東洋医学的かもしれません。

気仙沼ニッティング代表取締役・御手洗瑞子氏

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「自社だけのことを考えている時間は少ないかもしれない」と話す気仙沼ニッティング社長の御手洗瑞子さん。個別の問題に最適解を出すには、常に包括的にものを見て考えるという。それはあたかも、東洋医学的な思考法と言える。(構成/新田匡央、写真/引地信彦)

 

すべての時間が考える時間

編集長・岩佐(以下色文字):経営者はさまざまなことについて考えなければなりません。その一方で、誰よりも忙しいのが経営者です。考える時間をどのように確保するのか。この避けては通れない課題についてお聞かせください。

御手洗(以下略):私はまだ経営者歴が浅いので、先輩の経営者の方々がどのように考える時間を確保されているのか、非常に興味があります。私について言えば、世の多くの経営者の方と違って秘書がいないので、スケジュールは自分で管理しています。気をつけているのは、過密スケジュールにしないことです。それによって生まれた「余白の時間」を自分の考える時間に充てています。

経営者として、御手洗さんは1人になって考える時間が必要ということですね。

 必要です。気仙沼ニッティングはまだ小さな会社で、人数も少ないです。その中で、経営について考え、会社の舵取りをするのは社長である私の役割です。自分の考えの精度が、会社のパフォーマンスに大きく影響してしまう。目の前の課題解決はもちろんですが、会社をどの方向へ導くか、今は何に力を入れるべきか、会社の状況をメタに認識して常に方向性を考えるようにしています。

御手洗さんは全国を飛び回っていらっしゃるので、電車や飛行機での移動時間も考える時間に充てているのですか。

 移動時間は考える時間というより、作業の時間に充てています。新幹線での移動中はだいたいラップトップを開けていて、メールの返信をしたり、必要な文書を書いたりしています。新幹線の中は、妙に事務処理がはかどるんですよ。

では、じっくり落ち着いて考える時間と場所は、どのようなシチュエーションですか。

「さあ、考えるぞ」とまとまった時間をとって気合を入れて考えるのではなく、スケジュールの入っていない余白の時間に、なにかをしながらぐるぐると頭を巡らせていることが多いですね。私は気仙沼と東京を行き来しており地方出張もあるので、丸一日休みがあることは少ないです。また人といる時間も長い。でもときどき午前中にスケジュールを入れず、洗濯など家のことや次の出張準備などをすることがあります。そういうときに、考えごともしていますね。現場から離れているからか、逆に仕事についても冷静に考えられるように感じます。

オフの時間がありませんね。オンとオフの意識はあまりないのですか。

 オンとオフという意識はありません。あるのは「予定が入っている時間」と「予定が入っていない時間」という感覚です。そもそも、仕事とプライベートの境目がよくわからないのです。直接取引の関係がなくても、この人とのご縁はきっと会社にとって大切だと思う方からお声掛けいただいたら、お会いしに行きます。編集長もお仕事柄、そういう機会が多いのではありませんか。

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