朝、勤務中、帰宅時の短時間で、
マインドフルネスを実践する方法

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マインドフルネスの実践は、いつ、どこで、どうやればいいのか。企業向けマインドフルネス・ソリューションを世界中で提供する専門家が、1日を通しての実践法を紹介。


 読者の皆さんは、こんな感覚をよくご存じだろう。その日の予定を明確に意識して出社する。そして時間が瞬く間に過ぎ、気づけば帰宅の途についている。9~10時間ほどが経ったのに、優先事項のうち2つか3つしか達成できていない。

 そんな時は往々にして、自分が1日何をしていたのかを正確に思い出すことさえできない。この感覚がよくあるという方、心配はご無用。それはあなただけではないからだ。研究によれば、人は起きている時間のうち約47%を、実際に取り組んでいること以外の何かについて考えながら過ごしている(英語記事)。言い換えれば、多くの人は「自動操縦」状態で動いているのだ。

 加えて、世の中はいわゆる「アテンション・エコノミー」の時代に突入している。関心・注目が希少価値とされ争奪戦が起きているこの状況では、集中力を維持する能力は、技術的スキルやマネジメントのスキルとまったく同等に重要だ。

 リーダーはとりわけ、この新たな傾向のせいで苦労している。優れた意思決定を下すためには、増え続ける情報の洪水を吸収し、統合する必要があるからだ。

 だが幸いなことに、1日を通じてマインドフルネス(目の前の瞬間に意識を集中させることで、惰性から脱却し能動的に気づきを得るプロセス)の習慣を取り入れれば、脳を鍛えて集中力を高めることが可能だ。250を超える組織の数千人に及ぶリーダーたちを支援してきた筆者らの経験に基づき、集中力の高いマインドフルなリーダーになるためのガイドラインをいくつか紹介しよう。

 まずは、1日の始まりを正しく迎える必要がある。研究によれば、人間のストレスホルモンの大半は、目覚めてから数分のうちに分泌される。これから始まる1日のことを考えることで、「闘争・逃避」本能が刺激され、血液中にコルチゾールが分泌されるからだ。

 代わりに、こうしてみよう。目が覚めたら、横になったままで2分間、自分の呼吸を意識する。これからの1日のことが頭に浮かんだら、意識をそこから逸らして自分の呼吸に注意を戻すようにする。

 次に、出社したら、仕事に取りかかる前に自分の席か車の中で10分間、マインドフルネスの短いエクササイズをして脳の力を高めよう。目を閉じてリラックスし、背筋を伸ばして座る。そして全意識を自分の呼吸に集中させる。一連の意識の流れを、息づかいにだけ向けるのだ。吸って、吐いて、吸って、吐いて……。

 呼吸に集中しやすいように、息を吐き出すたびに回数を無言で数えよう。気が散ったら、意識を呼吸に引き戻すことで雑念から離れる。最も重要なのは、その時間を楽しむことだ。今日これから、他の人々やさまざまな至急案件があなたの注意力を競って奪おうとするだろう。しかしこの10分間だけは、注意力を自分のためだけに使えるのだ。

 このエクササイズを終えれば、仕事を始める準備が整う。そして仕事のパフォーマンスは、マインドフルネスによって高めやすくなる。

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