全国から愛され続ける地方企業、
六花亭が描いた想い

DHBR連載「リーダーは『描く』」の取材現場レポート

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DIAMONDハーバード・ビジネス・レビューの連載「リーダーは『描く』」第13回は、六花亭製菓株式会社の小田豊前社長が登場。帯広本社での取材が実現しました。
今回は、ダイヤモンド社書籍編集局の今野が執筆を担当します。初めて「描く」の現場を体感した感動と、このプログラムの魅力を、読者のみなさまに少しでもお伝えできれば幸いです。取材は2月。その1か月後に、小田さんは21年間務めた社長を退任されることを発表されました。結果的に退任直前の取材となりました(写真・鈴木愛子、構成・今野良介)。

 

不安と疑念たっぷりの参加者たち

 2月の帯広は想像を絶する寒さでした。取材前日、深夜の最低気温は-16℃。試しに外を歩いてみると、5分もたたずに肺の奥が痛くなるほど、空気が冷えきっています。

 当日は快晴。木々に囲まれた六花亭本社の応接室が、今回の会場です。全面ガラス張りの窓からキラキラと日差しが降り注ぐ中、「描く」のワークショップがスタートします。

「みなさん、今日は絵を描くのを楽しみにして来られたんですよね?」

 ファシリテーター役のホワイトシップ代表長谷部貴美さんがそう切り出すと、参加者の3人から次々に「不満」が飛び出てきました。

「いやいや、いきなり絵を描くなんて不自然ですよ。何を目論んでるのさ?」

 茶目っ気たっぷりにそう答えたのは小田豊社長です。

「絵は昔から苦手だったんです。本当に描きたくない。もうすでに帰ろうかなと思ってます……」そう言って会場の笑いを誘ったのは、真っ白な作業服姿の取締役副社長、小田文英さん。

「これは、新しい宗教か何かですか?」

 皮肉たっぷりにそう問い返したのは、「六花亭中札内美術村」「六花の森」など、六花亭の建造物の多くを手掛ける帯広市の建設メーカー、株式会社サンピラーの代表取締役西川武さんです。

 全員が、絵を描くことにあまりいいイメージを持っていないことが判明し、にわかに行く末が心配になりましたが、長谷部さんは動じることなく笑顔で答えます。

「みなさん、最初はそうおっしゃるんですよ。と言うよりも、これから取り組んでいただくのは、そういう人のために開発されたプログラムなんです」

 このワークショップはもともと、「絵はもっと自由に描いていい」ということを伝えるために子ども向けに考案されたプログラムで、それを大人向けにアレンジしたものだそうです。現在では「Vision Forest」という組織変革アプローチのプログラムのひとつとして、アート教育の企画・運営やアーティストのマネジメントを行う株式会社ホワイトシップと、ビジネスコンサルティングサービスの株式会社シグマクシスが共同で企業向けに提供しています。

 本誌の連載「リーダーは『描く』」では、両社の全面協力のもと、実際にワークショップを実施していただき、その様子を記事化しています。

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