「マインドフルネスの母」からの教え:
「“気づき”に瞑想はいらない」

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ハーバード大学のエレン・ランガー教授は、数々の研究でマインドフルネスの効果を科学的に実証してきた功績から「マインドフルネスの母」と称えられる。本記事では、マインドフルネスの本質である「気づくプロセス」がいかに簡単かを説く。それは瞑想も必要とせず、ただ対象から「新しいことを見つける」行為に他ならない。


 私は、1970年代初頭からマインドフルネスを研究している。我々の研究機関(ランガー・マインドフルネス・インスティテュート)でもその他の研究室でも、毎年のように新しい発見が生まれており、人々の健康や幸福、パフォーマンスにおいて、マインドフルネスがいかに重要な要因であるかが示されている。

 人は何をする場合でも、それを「マインドフル」か「マインドレス」か、どちらかの状態で行う。このことは、マインドフルネスが心身の健康を左右する最も重要な要因となりうることを示唆している。人がジムに行くのをサボる、ドーナツを食べる、あるいは仕事を完遂できない、というときにはそれなりの理由があり、理解できる。しかし「マインドレスであることを選ぶ」のは、理解し難いことなのだ。

 問題は、マインドフルネスとは何か、どうすればそれを達成できるかについて、多くの人が誤解しているということである。一部の人は、「大変な努力を費やして考えること」がマインドフルネスであり、それがストレスになると思い込んでいる。

 しかし、考えることが負担となるのは、「自分が正しい答えにたどり着けないのではないか」と恐れているときだけである。ストレスは出来事から生ずるのではなく、出来事に対する私たちの見方によって生ずるのだ。

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