Going Digital 社会、市場のデジタル化を日本企業変革のチャンスにする

成長を加速し、競争力を向上させる
「俊敏な組織」を目指して(1)

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アクセンチュアは13の業界、9つの国や地域における700人の経営層を対象に調査を行い、コスト競争力のあるオペレーティング・モデル(事業運営モデル)を構築し、成長に向けた再投資を行っていくうえでの課題と機会について分析した。調査レポートの前半では、成長の加速を阻む要因について解き明かす。

コスト削減と成長への再投資

 この調査は、13の業界、9つの国や地域における700人の経営層を対象に、定量・定性両面からアクセンチュアが実施したものです。コスト競争力のあるオペレーティング・モデル(事業運営モデル)を構築し、成長に向けた再投資を行っていくうえでの課題と機会について分析しています。上記13の業界を担当するアナリストにもインタビューを行い、社外のステークホルダーがこれらの業界企業のいかなる点に着目し、どこに価値を見出し、どのような期待を持っているかについて明らかにしています。本調査により以下のことが明らかになりました。

・成長への再投資を目的としてコスト削減に取り組む企業は多いものの、その意図通り実行できている企業は少ない。

・経営層の間で何を優先すべきかの意見が食い違っており、どの分野に再投資すべきかの合意がないため、企業全体としての価値創造が最適化されていない。

・コスト削減により捻出した改革原資の再投資先は、ほとんどの場合、事業戦略と整合性が取れておらず、いろいろな分野に分散してしまっている。

・そのようななかにあって、“デジタル化”への再投資については、経営層は一致して重要だと考えている。大多数の経営層が、デジタル化を、売上げを成長させ最先端のオペレーティング・モデルを実現するうえでの不可欠の要素として認識している。

成長に向けて

 今日の経営環境下では、競争力の従来の定義は通用しません。デジタル化によって業界の垣根が崩れ、新たな競争相手が参入するなか、企業は競争の仕方についての再考を迫られています。

 “スピード”が「新たな常識」となっています。企業は破壊的イノベーションを求め、それを急速に拡大することを狙っています。デジタル・テクノロジー、特にソーシャル・テクノロジーによって、顧客は従来にない透明性を手に入れており、それに呼応して企業は顧客との間に信頼を構築することを求められています。多くの業界で、より高いリターンを求めるアクティブ・インベスター(“物言う株主”)からの圧力も増しています。

 企業は、無駄を省いて俊敏性を高め、積極的かつ持続可能な成長に注力することを通して、今後ずっと続くであろうこうした不確実な環境を乗り切りたいと考えています。困難でリスクも多い取り組みではありますが、進むべき道は明らかです。

 成長するために企業は、価値を高める活動の識別、事業目標に寄与していないコストの削減、そして捻出した資金の成長への再投資を積極的に行う必要があります。アクセンチュアが行った調査によれば、調査対象者の4分の3以上が「自社はコスト削減に注力しており、そこで捻出された資金を成長に向けた各種施策に再投資しようとしている」と回答しています。

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