エッジ戦略:
自社に潜む「曖昧さ」に優位を見出す

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エッジ(edge)という語には「優位性」の意味があり、また「境界、端」の意味もある。本記事の筆者らが提唱するのは、ビジネス上の「曖昧な境界部分に、優位の源泉を見出す」というエッジ戦略だ。


 ビジネスにおける「エッジ」、つまり優位を誰もが探し求めている。いかにして勝つか。他に先んじるにはどうすればよいのか。自社を成功に導く切り口はどこか――。しかしエッジとは、単に「優位」そのものを指すだけではない。それは、優位を見出せる場所でもあるのだ。

 我々の定義によるエッジとは、「自社がやっていること」の輪郭部分であり、「やっていないこと」と分け隔てるものである。この境から向こう側に行くと、何かが変わる。ビジネスにおいては、この境界線を越えて進むと最も変わるのはリスクである。

 エッジは明確であるとは限らず、むしろ、いたって曖昧であることが多い。水平線に目をやると、海と空の境は常にはっきり見えるわけではないが、ビジネス戦略におけるエッジもそれと同じだ。ある製品が市場のどこにポジションを築いており、どんな価値を提供しているのか。一様ではない顧客は、その企業がどの舞台で競争することを認めているのか。これらを完璧に説明できることはめったにない。

 この曖昧さにこそチャンスが潜んでいる、というのが我々の考えである。エッジが明確でないならば、企業はそれを少しでも自社に有利となるよう再定義できる。それほど居心地のよくない隣のスペースや、そのさらなる先に踏み出すよりも、この曖昧だが馴染みのある境界部分に留まっているほうが、既存の資産を有効活用するための巧妙で新しい方法を見出せるのだ。

 エッジにはもう1つ、興味深い属性がある。それは内部と外部が接触する場所であることだ。ゆえにアクションが生まれやすい。自然界、文明、さらにはビジネスにおいて、最も魅力的な交流が見られるのは周縁部分である。そして物事が交わるところにこそ、多くのチャンスが生まれる。

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