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「部分最適」から「全体最適」の世界へ
ディープラーニングでビジネスのルールが変わる

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人と人工知能との業務分担が必要

――ソリューションのカギを握る技術は何ですか。

 ディープラーニングですね。人工知能のブレークスルーが起こり、これまで取得できなかったさまざまなデータを取れるようになり、解析できるようになったことです。これは大きなパラダイムシフトです。

――なかでも小売業に注力した理由はありますか。

 業種というよりは、参入する余地があるという観点から小売業に着目しました。国内でディープラーニング専門の会社を手掛けたのは我々が最初ですが、勝負の決め手はデータ量です。インターネット上のデータならグーグルにかなうわけはないし、SNS内の情報なら圧倒的にフェースブック。ですから、彼らが出ていない分野で、まずは足場を固めようとしたわけです。小売業に限らず、製造業や鉄道業界など参入余地がある業界では、すでにサービスを展開しています。

 もちろん、労働集約的な小売業独自の問題にも着目しました。少子高齢化が進んでいけば、現在のようなマンパワーに頼ったサービスを提供するのは不可能です。そこで、人がやらなくてもいい仕事で人工知能が得意な業務はそこに移管し、人は人にしかできない仕事に注力することで、労働人口が減っていく世のなかにも対応できるようなシステムを提案したわけです。

 人工知能がやっていることは、ひと言でいえばパターンマッチングです。似たものを集めたり、分析したりすることは得意ですが、クリエイティブな作業はできません。たとえば、洋服をつくろうとした時、人間なら、ここにリボンをつけたらかわいいなどと、いろいろ工夫します。しかし、人工知能にやらせようとすると、データとして記憶している洋服の平均的なデザインをはじき出すだけ。平均的なデザインなんて、デザインじゃない(笑)。

 たしかに、管理したり、並べたり、探したりする作業は、人工知能のほうが得意かもしれません。しかし、商品開発や経営判断、トレンド予測など、「組み合わせ」や「選択」だけではできない、過去のデータにとらわれずにまったく新しいものをつくり出す作業はいつの時代も人間がやるでしょう。

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