シスコの幹部評価システムは
「残酷なまでに率直」である

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IT業界の一角を担うシスコの社内では、厳密な幹部評価システムによって、上級幹部の能力が詳細に査定されるという。同社の幹部人材担当トップが、その概要とメリットを明かす。


 いかなるCEOにとっても、最高経営陣に熟練の幹部らを据えて会社の強力な核とすることは、きわめて重要であるはずだ。しかし多くの企業は、トップリーダーの真の実力を把握するうえで、確固たる方法を持たず想定に頼っている。

 シスコシステムズで幹部人材のマネジメントを担う我々は、上級幹部1人ひとりの特性を詳細に把握するために、綿密な幹部評価システムを用いている。評価事項の一部を挙げれば、各人の強み、要強化点、野心、戦略的能力、盲点、実務能力、チーム育成の手腕、大舞台での振る舞いと1対1のコミュニケーションのどちらがどれほど得意か、等々がある。

 この幹部評価は2つの部分から構成されている。1つ目はスペンサースチュアートが開発した定量的評価で、リーダーのビジネス面および職能面の能力を業界の同業者と比較して測定する。2つ目は、リーダーシップ能力に関する定性的評価である。社内の幹部人材担当チームが、批評価者の同僚、上司、直属の部下に綿密なインタビューを行い、360度評価を実施する。

 このように他社幹部との比較データと定性調査を組み合わせ、結果を導き出すことで、各人のポテンシャルと要強化点について確かなヒントが得られるのである。

 幹部への評価は約18ヵ月ごとに実施される。評価スコアによって個々人のリーダーシップのあり方が率直に示され、どんな職務環境で活躍できるのか、あるいは苦戦を強いられるかが明らかになる。そのプロセスは透明化されており、社内の一部では「残酷なまでに率直」とも形容されるフィードバックが与えられる。

 シスコのCEO以下幹部らは、この360度評価によるフィードバックを貴重なものと捉えている。その理由として、まず我々はこの活動を長年続けており、すでに企業文化の一部となっている。さらに、フィードバックは次のことを知るうえで役に立つ。経営陣がどのように進化すべきか、幹部らが互いをサポートするために何をすべきか、そして組織の将来においてどんな役割を果たせるか、である。

 こうしたわかりやすいメリットの他にも、我々がこの評価プロセスから学んできた重要なことが数多くある。それらは、企業が定期的に経営陣の実力を評価・分析すべき理由となるものだ。

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