役割や地位ではなく、
人として付き合ってもらえる人とは

人事異動の季節になると、多くの人の去就のお知らせが来る。立場が変われば、去っていく人もいれば、付き合いが続く人もいる。役割や地位ではなく、その人自身ときちんと付き合うことは難しい。

 

トップが交代すると社内の人の流れも変わる?

 高校時代にバンド活動をしていたら人気が出て、メジャーデビューを果たした友人がいます。彼に「デビューして一番変わったことは何?」と聞いた時、「友達が増えたこと」と苦笑いしていました。音沙汰なかった知り合いが思い出したように連絡をしてきたそうです。

 逆の話もあります。経営トップの辞任と新しい社長の発表がされたら、見事に社内での動き方が変わった人が多くいたという話です。

 どちらにも共通するのが、人との付き合い方を、相手の地位や役割で決めている人がいるということです。これは、多くの人が意識せずにしている可能性があります。私もしているかもしれません。それだけ相手の役割ではなく人間性ときちんと付き合うのが難しいということです。これは人間が社会的な生き物である以上、習性に近いのかもしれません。

 一方で、やっぱりそういう付き合い方はしたくないし、されたくない。仕事で役割をもって知り合った相手とも、人と人とのつながりに発展するのは、仕事を通した副産物のような喜びの一つです。

 人と人との付き合いができる人は、役割や地位で相手を見ない人なんでしょう。部下や上司との付き合いも同様に、見下しもせず、持ち上げもせず。社内政治が下手と呼ばれる部類の人もいそうですが、一方で、周囲の人はそれをよく見ているので、結果的に信頼を得ることになります。

 また、役割や地位ではなく人として付き合って「もらえる人」は、逆に普段の言動にその傾向が表れているのではないでしょうか。「ポジショントーク」という言葉がありますが、本音からではなく自分の立場からモノを言っていると思われた際に揶揄されて使われます。立場が変われば言うことも変わる。日頃の言動が、自分の立場や役割から発していると見られる人は、その人の役割が変わった途端に人が離れていったりするものでしょう。

 相手を役割や地位で付き合う人を毛嫌いする前に、自分が生身の人間として付き合ってもらえるよう、普段から行動しているかを見直すことが先決のようです。自戒を込めて。(編集長・岩佐文夫)
 

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