Going Digital 社会、市場のデジタル化を日本企業変革のチャンスにする

デジタル時代のM&Aは
「自社への取り込み」から「共創」へ

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欧米の各業界のトッププレイヤーたちが、デジタル系の新興企業を次々と買収し、新たな事業領域を開拓し始めている。対して、日本企業によるデジタルM&Aはほとんど例が見られない。しかし、いまや新しいビジネスモデルや製品・サービスの創出にはデジタル技術が欠かせない時代。遠からず、日本企業もデジタルM&Aへの取り組みを迫られるだろう。そこで、従来の企業買収とデジタルM&Aとでは何が違うのか、成功のポイントは何かを聞いた。

事業展開のスピードを
加速させるための手段

横瀧 崇(よこたき・たかし)
アクセンチュア 戦略コンサルティング本部
M&A統括 マネジング・ディレクター
アクセンチュア 戦略コンサルティング本部において、業種横断でM&Aの戦略から価値創出までを一貫して支援するM&Aプラクティスの日本統括マネジング・ディレクター。通信、ハイテク、自動車、消費財、小売、化学、金融と幅広い業界において、10年以上M&Aにおける価値創出を支援している。

――はじめに、デジタルM&Aとは何か、また、最近の動向について教えてください。

 デジタルM&Aとは、大企業が新たなビジネスモデルの実現や新しい事業領域への展開を加速させるために、優れた技術やアイデアを持つデジタル系のスタートアップ(新興企業)を買収することをいいます。

 もちろん、大企業もデジタル分野の重要性を認識し、自ら投資もしていますが、それでは他社に先を越されかねない。ですから、事業展開のスピードを上げるための手段の1つとしてM&Aを用いているわけです。

アクセンチュアがグローバルで行なった調査では、新たな事業領域への進出をアライアンス・M&Aによって実現することを計画している大企業は約80%にも及んでいます。実際、欧米の各業界のリーディングカンパニーは今、デジタルM&Aによって新たな事業領域への展開を着実に進めているのです。

 例えば、通信業では英国ボーダフォンが自動車向け通信システムの会社である「cobra」を、製造業では独シーメンスが製造実行システムの「CAMSTAR」を買収しています。他にも、金融・自動車・小売り・消費財など業界は多岐にわたります。

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