日本企業は
グローバル・リーダーを育てているか

グローバル・ビジネスリーダーの育成と活用【第1回】

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早稲田大学ビジネススクールの教授陣がおくる人気連載「早稲田大学ビジネススクール経営講座」。17人目に登場頂くのはグローバル経営や人材・組織が専門の大滝令嗣教授だ。「グローバル・ビジネスリーダーの育成と活用」をテーマに、全6回でお届けする。

海外売り上げ比率が高まる日本企業

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大滝 令嗣(おおたき・れいじ)
早稲田大学ビジネススクール教授。専門はグローバル経営、人材・組織。 東北大学工学部卒業、カリフォルニア大学電子工学科博士課程修了。東芝半導体技術研究所、ヘイコンサルティング・コンサルタント、マーサージャパン・シニアコンサルタント等を経て、1988年 マーサージャパン代表取締役社長、2000年より代表取締役会長兼アジア地域代表。 2005年にヘイコンサルティング・アジア地域代表、2008年にエーオンヒューイットジャパン代表取締役社長、2009年より同社の会長を務める。早稲田大学では2006年より教鞭をとり、2011年から現職。他にシンガポール経済開発庁ボードメンバー等を歴任。

 JETROの調査(2015年3月発表)によれば、海外売上げ比率が50%を超えている日本の大手企業は15.3%に上る。特に情報通信機械・電子部品業界では27.9%と高い。さらに、過半数の製造業では海外売上げ比率が今後ますます増加すると予測されている。

 国内と海外で社員数が逆転している会社も今はそれほど珍しくない。先駆的な例として、東証一部上場企業で大手オーディオ機器メーカーであるフォスター電機は、携帯電話や携帯オーディオ機器付属のヘッドセットの世界シェアでは、トップクラスを誇っている。同社は工場を全て海外に移転しており、日本には本社機能と研究開発機能しか残していない。東京の昭島市にある本社には約450名の社員がいるが、それに対して海外社員の数は約5万人で、海外社員比率はなんと99%にも上る。

 海外売上げ比率や海外社員比率が高くなるにつれて、海外オペレーションに関する新たな問題が日本企業のマネジメントを悩ませてきた。国内オペレーションの問題解決には慣れた日本人マネジャーでも、いざ海外のオペレーションとなると、なかなか経験を活かすことができない。そもそも、現地スタッフとのコミュニケーション上でハンディを抱えている日本人マネジャーも少なくないのだ。そのような中、多くの日本企業で本格的なGBL育成プログラムがスタートしている。対象は日本人だけでなく、海外現法の現地マネジャーたちだ。

 今回の連載では、グローバル・ビジネスリーダー(GBL)の育成と活用に関して、現場での著者の経験をもとに日本企業がどのような課題を抱え、どう対処しているのか、さらには今後日本企業がどの方向を目指したら良いのかについて詳しく取り上げていきたい。あわせて、日本企業のグローバル化の特徴、それについて海外の人材がどう見ているのかなどについても紹介していきたいと思う。

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