Going Digital 社会、市場のデジタル化を日本企業変革のチャンスにする

サーキュラー・エコノミー時代に
日本の経営者はどのように挑むべきか

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アクセンチュアのコンサルタントが執筆した最新本『Waste to Wealth』で紹介している、“ムダ(Waste)を富(Wealth)に変えるビジネス”とは何か。これまでの大量生産・大量消費型からサーキュラー(循環)型への事業転換によるムダの排除は、2030年までに世界で4.5兆ドルにも及ぶ市場ポテンシャルを秘めているという。このビッグチャンスを生かす方法とはどんなものか、日本の経営者はどのように挑むべきかなどについて、アクセンチュア戦略コンサルティング本部マネジング・ディレクターの朝海伸子氏に聞いた。

大量生産・大量消費の
経済モデルは崩壊しつつある

朝海 伸子(あさかい・のぶこ)
アクセンチュア戦略コンサルティング本部 マネジング・ディレクター
アマースト大学(米マサチューセッツ州)卒業後、世界銀行、米ボストンITベンチャー企業、レッドハット(ボストン、ロンドン勤務)等を経て2007年アクセンチュア株式会社入社。2014年から同社戦略コンサルティング本部サスティナビリティ担当マネジング・ディレクター。

――「サーキュラー・エコノミー(以下、CE)」という考え方は、どのような背景から生まれたのでしょうか。

 世の中には非常に多くの「ムダ」があります。例えば、資源のムダ、使われていない資産、捨てられている素材、まだ使える製品の破棄などです。例えば、自動車は購入してから買い替えまでに1割も稼働していないといわれています。これらのムダを富(お金)に変えていけば、2030年までに4.5兆ドル(536兆円)の市場価値を生み出せる、というのが私たちの試算による見通しです。

 この背景にあるのは、これまでの大量生産・大量消費を前提した経済モデルが崩壊しつつあるという世界規模のマクロトレンドです。それは、GDPとコモディティ価格の相関関係からも明らかです(下図)。2000年がターニングポイントになっていて、2000年まではGDPが1%成長するごとにコモディティ価格は0.5%下がっていました。ところが、それ以降はGDPが1%成長するごとにコモディティ価格は1.9%上がるというように相関関係が逆転しています。現在、原油価格がかなり安くなっているように、資源価格の変動サイクルの中では実感しにくい時期もありますが、この逆転のトレンドは変わりません。

 こうした状況は、世界の経済成長の前提だった資源の安定供給・低価格化が崩れ、供給不足・価格高騰の時代を迎えたということを意味し、抜本的な産業構造の転換が必要になります。そうした中で企業が成長するには何をしなければならないかというと、先にお話した「ムダを富(お金)に変えていく」こと。つまり、原材料への依存度を下げつつ、利益の拡大を図る革新的なビジネスモデルを生み出し、企業競争力を高めていくことが求められます。これがCEの基本的な考え方です。

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