Going Digital 社会、市場のデジタル化を日本企業変革のチャンスにする

無駄を富に変える
サーキュラー・エコノミーへの転換

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サーキュラー・エコノミー(以下、CE)への転換は、世界経済のなかで過去250年間続いてきた生産と消費の在り方における、史上最大の革命となる可能性を秘めている。デジタル革命とビジネスモデル革新、CEを融合させることで、企業は無駄から富を生み出し、新たな競争優位性(Circular Advantage)を獲得することができる。

過去250年間の世界経済で史上最大の革命

  サーキュラー・エコノミーの本質は、市場、顧客、および天然資源の三者の関係性をまったく新しい視点で見つめ直すことにある。この視点から三者の関係をとらえると、デジタルをはじめとする最先端のテクノロジーは、企業に破壊的なビジネスモデルへの変革をもたらす。

  デジタルはどのように破壊的ビジネスモデルをもたらすのか? デジタルに代表される革新的技術は、消費者とのつながりを強化し、資産の稼働率を高め、市場と連動させることにより、これまでの生産と消費の在り方を根本的に変化させている。デジタル革命とビジネスモデル革新、CEを融合させることで、企業は無駄から富を生み出し、新たな競争優位性(Circular Advantage)を獲得することができる。

  アクセンチュアの調査によると、サーキュラー・エコノミーのビジネスモデルを実践し「無駄」を「富」に変えていくことで、2030年までに新たに4.5兆ドルもの利益を創出できることが明らかになっている。このCEビジネスにおいて新たな「富」を生み出すと期待されるものは、廃棄物としてのいわゆるゴミだけではなく、企業の会議室や自動車、日用品など、現状「働いていない」「使われていない」「空いている」資産や天然資源も含まれる。

  CEにおいては「無駄」という考え自体を改め、あらゆるものには価値があることを認識し、それらを「効率的」に使う以上に「効果的」に活用することが求められる。また、企業が製品の販売以降も、使用済み製品の回収、メンテナンスなどのサービス提供を通じてカスタマー・エンゲージメントを高めることで、消費者とより強いつながりをつくることが可能になる。

  たとえば、家を建設するために必要な建材、エネルギーや金属、その他の資源をいっさい使わずに不動産ビジネスを展開し、100億ドルの利益を創出している企業がある。別の企業は、使用済みの部品を回収し再利用することで、営業利益を50%向上させながらも、使用する資源量を90%削減している。

  また、あるメーカーでは資源管理の手法を見直すことにより、10億ドル相当の価値創出に成功している。そのほか、それまで有効利用されていなかったバイオマス資源を活用することで、800億ドルの市場規模を持つ先端化学・エネルギー分野への参入を成功させた例も存在する。

  以上のように、CEがもたらすさまざまな機会を活かすことで、世界の業界リーダーと革新的なベンチャー企業は、すでに莫大な利益を手にしている。しかも、これはまだ序章にすぎない。本レポートでは、CEによる競争優位性を獲得するために企業のリーダーが学ぶべきことを、具体的な成功事例を通して明らかにしていく。

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