ジェネラリストの「CxO1.0」から
スペシャリストの「CxO2.0」へ

進化するCxO像の3段階

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前回は、CxOの進化の背景として、グローバリゼーションを俯瞰し、その環境下における企業の変容を、「規模の拡大」と「複雑性の高まり」という2つの視点で紐解いた。今回からは、その企業の変遷の中で進化してきたCxOの姿に迫っていく。

「CxO」というポジションの誕生

 誰が最初にCEOと呼ばれたのか。これについては諸説あるが、1955年にはFortune 200のうち2社にしかCEOという肩書きがなかったという。その後、急速にCEOの呼び名は広がり、1966年にはFortune 200の約半数の企業に、そして1975年にはほとんどの企業においてCEOという存在が見られるようになった(*1)。それまでは、会社登記制度上の伝統的な役職名であるPresidentと呼ばれていた経営トップ、より正確には経営における執行のトップの肩書きがCEOになったようだ。

Harvard Business ReviewにCEOが登場するのは1970年である。ただし、新しいポジションができたという鮮烈な扱い方ではなく、あたかもずっと前からあったかのように取り上げられており、1950~1960年代を通じて、市民権を得るものになっていたと考えられる。言葉そのものとしても、1972年にはOxford English Dictionaryに掲載されるようになっている。

 このようにCxOの存在をたどると、その歴史はおよそ半世紀といえる。とはいえ、「経営する人」という意味での経営者、あるいは、それを支える参謀や番頭のような役割は、どのような呼称であれ、当然ながら企業の誕生と同時に生まれていた。そこで、CxOという言葉が市民権を得た頃から少し遡り、企業が大規模化し始めた1900年代初頭の経営陣のあり方も含め、論じていく。

グローバル企業のCxOの変遷

 CxOはどのような変遷をたどってきたのか。デロイト(米国)のレポートBusiness Trends の2014年版(*2)では3つの大きな潮流として、New consumers(拡大する消費者層)、New collaborations(深化するコラボレーション)と並んで、New leadership(新たなるリーダーシップ)を掲げている。

 このNew leadershipにおいて、CxOの役割の進化がまさにビジネスの重要事であると指摘し、CxO像を、経営幹部としての少数精鋭「ジェネラリスト型」のCxO1.0、細分化された機能のリーダーとしての「スペシャリスト型」であるCxO2.0、複雑なグローバルビジネスを統合して価値を発揮する「統合バリュー型」のCxO3.0の3段階で整理している。

 

*1 David W. Allison and Blyden B. Potts, “The Diffusion of the CEO title throughout the US Corporate Network”, The Center for Research on Social Organization in The University of Michigan, 1999.
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Business Trends 2014年版(日本語概略版)

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