Going Digital 社会、市場のデジタル化を日本企業変革のチャンスにする

デジタル時代のゲーム・チェンジャーになるために(3)

インダストリアル・インターネット・オブ・シングスで“成長”の定義を塗り替える

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成功のための5つのアプローチ

 各国のリーダーはNACスコアから、自国におけるIIoTの成長を妨げる領域に関するインサイトを得ることができます。このような分析を通じて、政策立案者やビジネスリーダーは適切な分野に投資を行うことができるでしょう。また、IIoTによる成長をいち早く目指すうえで、各国が参考にするべき指針もいくつかあります。

自国の強みを活かす

 あなたの国ではハイテク産業が強いでしょうか? それとも農業を主力産業に掲げているでしょうか? 政策立案者はこうした問いへの答えをもとに、資金的制約を踏まえつつ適切な投資戦略を追求することが可能です。たとえばインドは近年、農業大国として台頭してきました。インド政府は「デジタル・インディア」を掲げ、この機運をつかもうと邁進中です。具体的には、「スマート・アグリカルチャー」プログラムによって農業従事者にIIoTテクノロジーの利用を促し、穀物貯蔵庫の温度のオンライン・モニタリングを実施。温度が穀物にとって危険なレベルに上昇あるいは下降した場合には、アラートを受信できる仕組みを確立しています11

業界内に連鎖反応を生む

 IIoTには、伝統的な異業種間の境界やバリューチェーンを越えた、新たなエコシステムを生む力が備わっています。たとえばハイブリッドサービスへのシフトにより、農機具メーカーは肥料メーカーや保険会社と連携し、バンドル製品やサービスを提供することが可能になりました。しかしアクセンチュアの調査では、IIoTがもたらし得る主なメリットとして「新製品/サービスの提供による新たな収益源の創出」を挙げたビジネスリーダーは、全体のわずか13%に留まっています。このようなことから、政策立案者は企業に対し、業界内だけに目を向けるのではなく、新たなパートナーシップを構築して、新たな製品やサービス、ビジネスモデルの創出を促す必要があると考えられます。

資源不足との戦い

 IIoTの経済面での普及を目指すなかで、多くの企業はスキルや資本、テクノロジーの不足に直面する可能性があります。したがって政策立案者は、これらの能力を「開発する」か「購入するか」の判断を下さなければなりません。「開発する」アプローチなら、既存の労働力を対象に不足している能力の開発を行うことが可能です。たとえば中国のIIoTハブである江蘇省の無錫市(むしゃくし)は、「IoTタレント・ゴールデン・ハーバー」プログラムの下、IIoTの専門家を育成中です12。とはいえスキル・ギャップに関しては、移民政策を取ることで海外からスキルを「購入する」ほうが時間がかかりません。またテクノロジーが不足している場合には、海外直接投資(FDI)や技術移転といったアプローチが有効でしょう。

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