テラモーターズの三人衆が
溢れる情熱を描く

DHBR新連載「リーダーは『描く』」の取材現場レポート

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DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー10月号での連載「リーダーは『描く』」はテラモーターズの徳重徹さんに登場いただいた。徳重さんを含め同社の社員3人が挑戦した「描く」ワークショップでは、男子校のような雰囲気が漂った(構成・崎谷実穂、写真・鈴木愛子)。

 

「スイカ」も「イノベーション」も同じ絵の感想

 今回の「リーダーは『描く』」のゲストは、電動バイクの分野で国内ナンバーワンのシェアを持ち、アジアでEVのイノベーションを起こそうとしているテラモーターズの徳重徹社長です。絵を描くワークショップを一緒に体験するのは、テラモーターズのメンバーのお二人。バングラディシュでマネージングディレクターを務める桑原康史さんと事業開発グループの中川耕輔さんです。男三人衆の“熱い”ワークショップの始まりです。

 このワークショップは、 “Vision Forest”という組織変革アプローチの一部で、アート教育の企画・運営やアーティストのマネジメントをする株式会社ホワイトシップと、ビジネスコンサルティング・サービスの株式会社シグマクシスが共同で提供しているプログラムです。本誌の連載「リーダーは『描く』」の取材では、この2社にご協力いただき、実際にワークショップの一部を実施していただいております。

 主催するホワイトシップのオフィスに桑原さんと中川さんが到着し、少し遅れて徳重さんが現れました。走って来たのか、額に汗がにじんでいます。アジア各国と日本を往復し、多忙な日々をおくっている徳重さん。今回のワークショップも、限られた日本滞在の合間を縫ってのご参加です。

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モデレーター役のホワイトシップ・長谷部貴美さん

 はじめに、ホワイトシップのアートプロデューサー・長谷部貴美さんが本日の流れを紹介します。まずは突然絵を描くのではなく、絵を鑑賞するところからスタート。会場となっているホワイトシップの「92art Studio」には、アーティストの谷澤邦彦さん(Kuniさん)の作品が飾ってあります。そのなかの1枚を、3人で鑑賞するのです。

 音がするとしたらどんな音か。この絵が大きな世界の一部だとしたら、どんな世界観なのか。自分の感覚を頼りに絵を感じ、思いを巡らせます。浮かんだ言葉をポストイットに書き、絵の周りに貼って、みんなで共有します。互いのコメントをちらっと見て、メンバー同士で笑いが起こる場面も。いったい、どんな感想が出てきたのでしょうか。

 モデレーターの長谷部さんが、それぞれの感想を共有します。

 桑原さんからは“川” “赤ちゃん” “うず” “ねむり” “マガタマ” “ピンク” “モモ”という感想が。中川さんからも“まがたま” “ピンク” “桃”と、共通した感想が出ていました。中川さんはそれ以外に、“スイカ” “ひみこ” “あったかいんだから”という感想も。“あったかいんだから”は、赤ちゃんのようなイメージから出てきた言葉だそうです。

 一方、徳重さんは“未来” “イノベーション” “コア” “中心”といった、他の2人とは違った方向性の感想を書いていました。普段考えていることや人柄が、絵の鑑賞時にも表れるようです。

 この鑑賞ワークからは、ひとつの見方にとらわれてしまう「視覚バイアス」や、同じ絵でも人によってまったく違う感想をもつという「ダイバーシティ」を実感することができます。

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左から徳重徹さん、桑原康史さん、中川耕輔さん

 鑑賞ワークを踏まえて、長谷部さんからは「アートというのは、戦争や災害があっても、一度も歴史から消えたことがないんです。それは人間が何かをつくり出したいという気持ちや、大切にしていることを表現したいという気持ちが消えたことがないからでしょう。またアートは、国の固有の文化やアイデンティティを表しているものでもあります。戦争で勝った国が、敗戦国の美術品を略奪するのは、そのアイデンティティを奪うためです。だからこそ、その国のアートを大切にしたり、鑑賞して理解したりすることは、国際交流にもつながっているんです」という、アートの意義についての解説がありました。

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