「ターゲット軸」と「時間軸」で、
PR活動の主導権を握る

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ジョン・ハワード首相(オーストラリア)が長期政権を築いた際の立役者であり、逆風にある幾多の候補者を当選に導いたのが、選挙ストラテジストのリントン・クロスビーである。その戦略から見えてくるものは、単に選挙に勝利する方法ではなく、ビジネスを成功に導くための定石である。第7回は、英国選挙戦におけるメディア戦略の重要性を確認したうえで、いかにメッセージを取り上げてもらえばよいのか、その具体的な手法が紹介される。
 

マニフェストは小出しで発表する

 3月26日の朝、私はこの日、選挙対策本部に直接向かわず、ボリスの交通政策に関するマニフェストの発表会の現場にいた。

 会場には100席ほどの椅子が並べられた。参加者は報道陣が中心である。

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ボリスのマニフェスト

 ボリスのマニフェストは、最終的には7章構成で作成された。この日は、その先陣を切って、まず交通政策のマニフェストだけが発表された。それは決して、マニフェストの作成に遅れが出ていたからではない。ボリスのメッセージをいかに伝えるか(How)の戦略に基づいたものであった。

 ロンドン市長選挙におけるボリスの選挙対策本部では、設定されたターゲットに対して、彼らに訴求するメッセージを、どのように伝えていくか(How)に関して、みずからが主導権をとってPRしていくこと、そして、それをテーラーメイドしてメディアに乗せていくことに重きが置かれていた。

 今回は、選挙活動で使われたメディア(媒体)の全体像を把握したうえで、ターゲット軸と時間軸によって、メッセージをいかにテーラーメイドし、それを伝えていったのかを紹介する。

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