多様性を求める企業は、
新宿のような組織を目指すのか

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現在の環境で企業が生き残るためには、多様性が必要であることに疑問の余地はない。しかし、多様な集まりから個性的な商品が生まれるのか。同質性と多様性を東京の街に例えて考えてみる。

 

新宿、池袋は多様性のある街?

「多様性」を口にする企業が増えています。その多くは、女性の活用、外国人社員の比率向上などを具体策として、男性の正規社員中心だった職場を変えようとしています。それ自体なんら問題とは思いませんが、「多様性」への取り組みはある種の覚悟を必要とします。

 東京の街について、「多様性のある街」を考えてみました。すぐに思い浮かんだのは、新宿、池袋といったターミナル駅です。逆に東京で多様性のない街とは、どこか。思い浮かんだのは、代官山、秋葉原、巣鴨などです。

 代官山には他の街にはない最新の商品や店舗、斬新な感性から生まれた店が集まっており、それらを好む人であふれています。どの人も自分のセンスに一家言ありそうで、服装やライフスタイルにこだわりのありそうな人たちばかりです。逆に言うと、それらに関心のない人が集まらない街です。秋葉原には、機械好き、ガジェット好き、アニメ好きなどが集まりますが、それらに特別な関心のない人はわざわざやってきません。

 しかし、代官山や秋葉原は明らかに個性的な街で、他の街との差別化に成功しています。海外からの旅行客も引きつける「尖った」魅力があり、ブランドとして見た場合も相当パワフルです。

 一方の新宿、池袋といった街は立地上集客力は抜群ですが、この街ならではの個性を言葉にするのが難しい。「何でもある」「雑多」「庶民的」が個性とも言えますが、多様なものを取り込めば取り込むほど、尖った個性を出すのが難しくなるのは確かなようです。

 では多様性を求める企業は、新宿や池袋といった「どんな人も受け入れる」組織を目指しているのでしょうか。そしてどんな人も引きつける事業を展開したいと考えているのでしょうか。

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