今、マーケティングコミュニケーションに求められることは?――Connect Users with Magic

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機能や優位性を伝えるだけでは、感動体験は生まれない。一貫したマーケティングメッセージを届けるために、グーグルでは3つの視点を重視している。好評連載、第13回。

 

前回、デジタルテクノロジーをマーケティングに活かす際の組織体制と日々のオペレーションの要諦について、グーグルの事例とともに解説した。今回は、マーケティングコミュニケーションをどのように設計し、ブランドと生活者の絆をいかに強固にするかについて、グーグルでの考え方とあわせ紹介する。

コミュニケーション開発の根底にあるもの

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写真右:馬場 康次(ばば・こうじ)
グーグル株式会社ブランドコミュニケーション統括部長。
早稲田大学卒業後、日本HP、イオン、マイクロソフトを経て、2007年グーグル入社。YouTube の日本での立ち上げから「未来を選ぼう。」「未来へのキオク」「Women Will プロジェクト」などのソーシャルプロジェクト、「Googleで、できること。」「Google さがそう」などのブランドキャンペーンを手がける。

写真左:平山 景子(ひらやま・けいこ)
グーグル株式会社サーチ&ブランドマーケティング統括部長。
慶應義塾大学総合政策学部卒業後、NTTドコモに入社。iモードの国際展開等に従事した後、カーネギーメロン大学にて経営学修士号を取得。Amazon Japan にて、モバイルサービスの企画・開発に携わる。2007年グーグル株式会社に入社し、モバイル、Chrome、YouTubeなどのマーケティングやWomen Will等のソーシャル活動に従事。2015年1月より現職。

 顧客や生活者との関係性をいかに構築し、持続させていくか。マーケティングコミュニケーションの開発は、企業それぞれに「思想」や「型」の基点となるものを持っているであろう。グーグルのマーケティングも常に、

“Connect Users with Magic ”

 グーグルのプロダクトを通じて、ユーザー(生活者)が思わず “すごい!” と感動するMagic (体験) を届け、ユーザーとグーグルの絆を構築する”

 という目的意識を通底させている。

 たとえば検索 や Google マップなどを見ても、単に便利さや優位性を伝えるだけでは、生活者が感動するまでには至らない。その距離を埋めるために、 グーグルのマーケティングマネージャーには、プロダクトと生活者、双方の理解が求められる。エンジニアと継続的に協働しながらどのようなビジョンや考えが込められているのかをとらえ、その一方で生活者がプロダクトを利用するとどのようなインパクトが生まれ、生活がいかに変わるかに思いを馳せる。この2点をつなぐべく、マーケティングコミュニケーション開発を進めていくのである。

コミュニケーション開発に必要な3つの視点

 グーグルが ”Connect Users with Magic” を実現するに当たりコミュニケーション開発に欠かせない3つの視点を紹介する。

 1:Tell user story - 生活者にとって価値あるストーリーを提案する
 2:Invite users - ストーリーを通してブランドと生活者の一体感をつくる
 3:Show why - ストーリーがなぜそのブランドから発信されるのか提示する

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