デジタル時代のブランド広告効果測定(1)
いかに正確さを追求するか

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オンライン広告はテレビ広告などよりも効果検証の精度が高まっていると思われている方が多いのではないだろうか。意外にも、実はそうではない。とはいえ、これらの問題を解決するデジタルテクノロジーもすでにある。グーグルの好評連載、第9回。

 

広告効果測定に求められる変化

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写真左:秋山 有子 (あきやま・ゆうこ)
グーグル株式会社デバイスマーケティング統括部長

写真右:巳野 聡央 (みの・あきひさ)
グーグル株式会社マーケットインサイトリサーチマネージャー

 広告などのマーケティング活動の効果検証の目的は、多額の予算を扱うマーケティング責任者に対する、アカウンタビリティ(その投資に対する説明責任)が主眼である。しかし、それだけでは、効果検証の価値を最大限活かしているとは言えない。なぜなら、今の生活者の反応を理解し、今後の打ち手を改善する「未来の活動へ向けてのラーニング」がより重要になりつつあるからだ。

 今回は前後編の2回に分け、デジタル時代のマーケターが抱える広告効果測定の課題、そしてデジタル技術で実現されるラーニングに関する新しい方法論を紹介する。前編では、その基盤となる「効果検証の正確性(Accuracy)」について、そして次回(連載第10回)では後編として複雑化するマーケティング施策に対応した「効果検証の俊敏性(Agility)」について取り扱う。

オンライン広告の意外なバイアス?!

 効果検証から未来への学びを得ようと思うマーケターにとって「正確性」はすべての基盤になる。おそらく、デジタルテクノロジーに支えられたオンライン広告は、テレビ広告などよりも、効果検証の精度が高まっていると思われている方が多いのではないだろうか。しかし、実はそうではないという意外な事実を、ここで皆さんと共有したい。

 広告効果検証を行う際に、意図せずに結果が実際よりも高くあるいは低く出てしまい、正確性に悪影響を与えることをバイアスと呼ぶ。より深刻なのは、見かけ上の広告効果を良くしてしまうほうのバイアスだ。一見すると、広告効果がプラスに出ているので、それ以上深堀することなく、その背後にある「これは見せかけの効果かもしれない」という可能性に目を向ける人は少ない。

 広告効果検証において、代表的なバイアスは以下である。

 

秋山 有子 (あきやま・ゆうこ)
グーグル株式会社デバイスマーケティング統括部長
博報堂、ワイデン+ケネディトウキョウにて企業の国内外の広告宣伝活動の戦略策定や実施を担当する。2011年にGoogleに入社後、Google+のブランドキャンペーン立ち上げ、「未来へのキオク」をはじめとした東北支援活動、検索・ブランドマーケティングに従事した後、Android ブランドキャンペーンの立ち上げを経て、2015年1月から現職。
巳野 聡央 (みの・あきひさ)
グーグル株式会社マーケットインサイトリサーチマネージャー
Googleにてテレビ・オンラインなどクロスメディア広告の調査研究に従事。デジタル技術を活用した新しい調査・分析手法の開発や大手ブランド広告主との共同調査プロジェクトを担当。入社前はマーケティングリサーチャーとしてIT領域の商品開発や産学連携プロジェクトに参画。当時よりGoogleのリサーチ活動に携わり、2011年に入社。慶應義塾大学総合政策学部卒業。

 

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