時間管理の主導権は、自分で握ろう

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自分の時間が足りない原因は他者や外部にある――そうかもしれないが、それでは問題は解決しない。時間管理の主導権は、自分で握るべきである。その方法を示す。

 

「不公平じゃないか。いつだってやることが多すぎる。みんな私に仕事を押しつけてばかりだ。もう無力感しかない……」

 身に覚えはあるだろうか。もしそうなら、あなただけではない。自分が行き詰まっているのは四方八方から途方もない量の仕事を頼まれるせいだ、と感じている人は少なくない。このタイプの人々は、エクササイズの時間が持てないのも、遅くまでの残業も、タスクをすべて終えることにいつも苦労しているのも、外からの圧力のせいだと考えている。

 たしかに、自分でコントロールできない状況(インフルエンザで倒れるなど)は存在するが、ほとんどの場合はそうではない。自分の状況を他人のせいにすれば少しの間は気休めになるだろうが、時間の使い方に対してそういう態度でいると、長期的には本当になす術がなくなってしまうだろう。

 時間に関して「自分は被害者だ」と思っていると、周りにも迷惑がかかる。人と話す時はいつもピリピリするようになる。すでに仕事で手一杯の自分に、さらに何か作業を振られるのではないかと身構えてしまうからだ。仕事の依頼にノーとは言えないと思い込んでいるため、引き受けたとしても心からの責任感からではなく、義務感や恨みが先に立ってしまう。自分の状況があまりに困難に思えるため、より効率的な計画と進行に努めようという気さえも起きない。どう転んでもひたすら働き続けるしかない、すべてを片付けるのは到底無理だ、という思いから逃れられないからだ。やがて諦念に支配され、努力をやめてしまう。

 時間管理のコーチングを生業とする私は、人がみずからの状況を改善する力は本人の自覚以上に大きいということを知っている。ただし現状を打破するためには、周囲が変わるのを待つのではなく、自分自身の力を実際に発揮する必要がある。借金を抱えた人は、所持金の範囲で消費するという選択肢があったことを認めずにクレジットカード会社を非難しても解決しない。自分が変われること、その必要があることを受け入れて行動を起こすことで、はじめて負債を減らせるのだ。

 被害者意識から抜け出すためには、他者を責めるのをやめ、時間をみずからコントロールし、自分で自身を変えることが必要だ。以下、時間を取り戻すための実践的な方法を3つ紹介しよう。

●まずは自分の反応を認識する
 優先事項にうまく時間を使えないでいる時、自分がどう反応しているかを意識しよう。非難すべき相手を探していないだろうか(「上司が振ってくる仕事がいつも多すぎる」)。自分を憐れんでいないか(「やれやれ、今日もストレスが溜まりそうだ。アイスでも買って気を取り直そう」)。アドバイスや提案を拒絶してはいないか(「仕事のやり方を変えればもっと早く帰れるんじゃないの? なんて妻は言うけど、無理に決まってるだろう」)。新しいプロジェクトを断ったことはあるか。仕事の限度を設定したことはあるか。周囲に助力を求めたことはあるだろうか。

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