ロボットに奪われても平気な仕事、嫌な仕事
――職場の感情をどうマネジメントするか

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ロボットに対する人間の感情は複雑だ。強い愛着を抱くこともある一方、仕事を奪われることに強い反感も示す。どの仕事をどんなロボットにやらせるか、そこに人間の感情がどう絡むか、などをマネジメントの問題として考える時が迫っている。

 

 カリフォルニア州クパチーノのアロフトホテル(スターウッドホテル&リゾート傘下)に滞在すると、人間が出迎えて荷物を持ち運んでくれるだけではない。〈ボトラー〉と名付けられた、ロボットの客室係が世話をしてくれる。バスルームの備品を客室に運ぶのが主な仕事だが、すれ違う客たちを楽しい気持ちにもさせている。

 ロボットの客室係――こう書くと、人間と機械の境い目が幾分あやふやになる。アロフトのグローバル・ブランド・リーダーであるブライアン・マクギネスは、最近のインタビューのなかでこの線引きを強調している。「ロボットが従業員に取って代わるというわけではありません。私たちが目指すのは、既存の人員とその能力を強化することです」

 そう断言されても、私たち労働者の間に漂う不安感はぬぐえない。ロボットとアルゴリズムに仕事を奪われるのではないかという恐れだ。そこには私自身の仕事であるジャーナリズムも含まれる(英語記事。ロサンゼルスタイムズ紙はアルゴリズムによって地震の速報記事を自動生成し、どこよりも早く配信できた)。革新的なロボットの登場、世界不況の余波からなかなか抜け出せない労働市場、科学・技術・工学・数学(STEM)分野でのスキル不足、等々に関する多くの報道が、この不安を裏づけ助長している。ロボットが人間の仕事を奪うか否かについては、専門家の間ですら意見が大きく分かれている。

 ハーバード・ビジネススクールのマイケル・ノートンは、ノースウェスタン大学ケロッグ・スクール・オブ・マネジメントのアダム・ウェイツとともに、労働力とロボットの関係を取り巻く感情について研究している。ノートンによれば、仕事にロボットを活用する「ボットソーシング」に関する「あまりに悲観的な見通し」が、この研究を始めるきっかけの1つになったという。「国外の労働力を活用するアウトソーシングに関する論争と似ているのですが、ロボットが人の仕事を乗っ取るという概念に対し、人々は感情的な反応を示しました」

 ノートンとウェイツは一連の実験を通じて、これらの感情がどのように生じるかを検証した(英語論文)。特に焦点を当てたのは、仕事のタイプ――「考える」仕事か、「感じる」仕事か――によって、それをロボットに代行される人の感情が異なるかどうかである。

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