ビッグデータの本質は
過去データの分析ではない

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ビッグデータの技術を駆使し膨大なデータを集め活用することから、有効な打ち手が見えてくる。しかし過去データの分析からイノベーションは生まれるのか。こんな疑問を解消するような方法論が、ビジネス実験である。

 

ビッグデータで実現する事業の効率化

 以前、ビッグデータの特集を編集した際、疑問に残ったのは、過去のデータの分析からイノベーションは起きるかということでした。過去のデータは、過去の企業活動の成績のようなものです。このデータを集めることから、どのような状況なら有効でどのような状況なら無効かを突き止めることができるようになります。

 小売店での天気とおにぎりの売上げとの相関関係が分かれば、より細やかな生産量の決定が可能となり、売れ残りも売り逃しも減らすことができます。これがビッグデータの典型的な活用例で、さらに高度なアナリティクスを導入することで、どの商品と並べると売行きが上がるか、店内の空調とおにぎりの売上げとの相関関係があったなど、人の経験を超えた法則が見つかる可能性があります。

 これらを繰り返すことで事業効率は確実に上がっていくでしょう。有効な施策と無効な施策が明確になることで、無効な施策をやめていくだけで経営資源の効率化につながるからです。

 しかしこの繰り返しからイノベーションは生まれるか否かです。イノベーションという言葉は使われすぎたせいか定義があいまいになっていますが、次元の異なる変化、非連続の変化を起こすことです。従来の延長線上の改善ではなく、どれだけ小さな変化でも非連続、すなわち過去に前例のない施策を生み出すか。

 過去に前例のない施策を実施するのに、データをどのように活用すればいいのでしょうか。

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