「強い」ビジネスモデルに共通するものは何か

デルとスタバのケースで学ぶビジネスモデル・マネジメント【第1回】

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早稲田大学ビジネススクールの教授陣がおくる人気連載「早稲田大学ビジネススクール経営講座」。12人目にご登場頂くのは総合経営やビジネスモデルがご専門の平井孝志客員教授だ。ビジネスモデル・マネジメントをテーマに、全4回でお届けする。

ビジネスモデル=儲ける仕組み

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平井孝志(ひらい・たかし)
早稲田大学ビジネススクール客員教授。東京大学教養学部基礎科学科第一卒。東京大学大学院理学系研究科相関理化学修士課程修了。ベイン・アンド・カンパニー、デル及びスターバックスなど複数の事業会社を経て、ローランド・ベルガーに参画。米国マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院MBA。博士(学術)早稲田大学。現ローランド・ベルガー 執行役員シニアパートナー。専門分野は総合経営、経営戦略論、グローバルマーケティング、ビジネスモデル。主な著書に『本質思考』(東洋経済新報社)などがある。

 本連載では「強い」ビジネスモデルとは何か?に焦点を当てて論じていく。まずそのためにはビジネスモデルの定義と、「強い」の定義が必要だ。

 おそらくもっとも平易でわかりやすいビジネスモデルの定義は「儲ける仕組み」だろう。なぜなら、顧客やステークホルダーに対して価値創造をしていくことが企業の存在意義であり重要であるものの、永続的に存続していくためにはその原資となる利益が必要だからだ。逆の言い方をすると、企業がしっかりと利益を生み出せているということは、顧客に対する価値を創造できている証であるとも言える。よって、ここではビジネスモデルを「儲ける仕組み」と定義している。

 一方、「強い」ということの厳格な定義は難しい。たとえば、新しくて、誰も考えなかったようなイノベーティブなビジネスモデルも「強い」と言えそうである。あるいはキーエンスのように、競争環境が厳しいファクトリー・オートメーション(FA)機器業界において、50%以上の売上高営業利益率を維持している高収益企業のビジネスモデルも「強い」と言えるだろう。

 また、アップルは1990年代、パーソナルコンピュータ(PC)でIBM互換機に対して苦戦した後、iPod, iPhone, iPadなどを世に生みだすことで復活を果たした。アップルのようにビジネスモデルを自己変革できる能力もビジネスモデルに内包するとすれば(この場合、ビジネスモデルの定義は「儲け続ける仕組み」と言い替えるべきかもしれない)、変革を成し遂げた企業も強いビジネスモデルを持つ企業と言えるだろう。

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