異色間のインタアクションが
グローバル組織を進化させる

ゲームモデルで読み解く組織行動〈2〉

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前回は、組織における人々の行動を動的に捉えるため、ゲーム理論のフレームワークを応用し、日系企業的な緑の組織と外資系企業的な青の組織の行動様式を読み解いた。今回は、それぞれの行動様式を理解し、マネジメントしていく緑の組織と青の組織のインタアクションについて説明したい。

シナジーを生むか、対立を生むか

 日系的な緑と外資系的な青がまだら模様のように交ざりながら企業全体がグローバル化していくとは、煎じ詰めれば、緑と青のインタアクションが進むことである。それゆえ緑と青のインタアクションは、「まだら模様のグローバル化」を考えるうえで中心的な位置を占める。

 そのインタアクションが曲者である。緑と青のように、対照的な存在同士のインタアクションは、放っておけば自然に調和的に進むような代物ではない。この難しさについては、本連載のこれまでの議論からも明らかであろうが、インタアクションについて説明する前に、まずは文化的シナジーについて考えてみたい。

 文化的シナジーとは、緑と青のように、異質の文化を持った二つの組織がインタアクトする場合に、インタアクションがうまくいってシナジーを生み出すか、はたまた、うまくいかずに誤解や対立を生み出すか、それぞれの条件は何か、といったことを考察する分野である。

 この分野で定評のあるナンシー・アドラーは、文化的多様性を含むチームの有効性について、「メンバーが多様性をはっきりと認識したうえで、うまく管理(manage)すれば文化的に同質なチームよりも有効性が高まり、より多くのアイデアや代替案や潜在的な解決案を創り出す」が、「多様性がしっかり理解されず、うまく管理されなかった場合は、同質チームの有効性に劣る」という趣旨の研究結果を報告している(*1)

 まだら模様は文化的に多様であり、うまく管理すればどちらかの単色の場合よりも優れた成果を生み出すことが可能となるが、管理しそこなえば単色の場合よりもパフォーマンスが劣ることとなる。うまくいくかいかないかの分かれ目は、アドラーの研究結果を適用すれば、多様性の理解、すなわち緑と青の間での相互理解と、相互マネジメントの質によることとなる。


*1 International Dimensions of Organizational Behavior, Nancy Adler, 1986.(邦訳『チームマネジメント革命』センゲージラーニング、2009年)

 

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