行列のできるドーナツ屋さんが
成長の限界を迎える理由

システム思考対談:枝廣淳子×篠田真貴子【前編】

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『世界はシステムで動く』を翻訳され、世界中のシステム思考家とのネットワークを持つ枝廣淳子さん。同書の読者であり、東京糸井重里事務所CFOの篠田真貴子さん。おふたりの対話を通して、システム思考がビジネスでどのように役立つかを探る。(構成:加藤年男、写真:引地信彦)

 

糸井は社会や組織は循環する、という考えを持っています。

篠田:本日はよろしくお願いします。『世界はシステムで動く』は、面白そうと何となく惹かれて読み始めたのですが、読み終えたいまもまだ理解できていないところがあります。今日は楽しみにしています。

枝廣 淳子
(えだひろ・じゅんこ)

幸せ経済社会研究所所長、東京都市大学教授
環境に関する国内外の動き、新しい経済や社会のあり方、レジリエンスを高めるための考え方や事例等、「伝えること」で変化を創り、「つながり」と「対話」で、しなやかに強く、幸せな未来の共創をめざす。デニス・メドウズ氏をはじめとする世界のシステム思考家とのネットワークを築き、『成長の限界-人類の選択』『学習する組織-システム思考で未来を創造する』等を翻訳。

枝廣:ありがとうございます。何となく惹かれたのというのはどうしてでしょうか?

篠田:私は糸井事務所に入って7年目なんですが、ビジネスに対する考え方の基礎訓練を受けたのは以前勤めていたマッキンゼーでした。そこでリニアな、直線的に物事を整理する考え方を徹底的に叩き込まれました。それがここで働くことによって、それだけじゃダメなんだよな、ということがだんだんわかってきた。おそらくそうした背景が自分のなかにあったからだと思います。

枝廣:リニアな考え方だけではダメだと気づかれたのは?

篠田:糸井(重里)は世の中や組織は循環するという考え方をするんです。そのことを初めて知ったのが入社して数か月のときでした。会社の様々なプロジェクトに共通する成功パターンの法則性についての提案をしたんです。まさにリニアな、AだからB、BだからCと、これがこうだからこうなりますという図を描いて糸井に見せたら、うーんと言いながらいろいろ質問をされました。そのうちパンと手を叩いて「わかった! 丸くすればいいんだよ」と言ったんです。丸くなって水路のようにグルグル回るんだ。水路の水は社会と行き来していて、それはちょっとずつ蒸発しちゃうからまた入れるんだよって(図参照)。

 そのときはまったく意味がわからなかったんですけど、それをイメージしながら働くうちにだんだん腹落ちしてきました。それが私の糸井事務所での原体験なんです。

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