ヤフーの経営幹部3人が「パステル画」に挑戦

DHBR新連載「リーダーは『描く』」の取材現場レポート

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DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー5月号でスタートした新連載「リーダーは『描く』」。第1回はヤフー社長の宮坂学さんに登場いただいたいが、取材では同社の本間さん、加納さんにも描いていただいた。2時間におよぶワークショップはどのように行われたのか(構成・崎谷実穂、写真・鈴木愛子)。

 

まずは絵の鑑賞からスタート

 午前10時。東京が眼下に一望できるヤフー株式会社本社の一室。会議室のようですが、机の上には色とりどりの画用紙が並んでいます。そこに、宮坂学社長と執行役員でピープル・デベロップメント統括本部長の本間浩輔さん、コーポレートコミュニケーション本部 本部長の加納美幸さんが入ってきました。みなさん、少し緊張した面持ちです。なぜならこの3名は、この部屋で「絵を描く」ために呼ばれたからです。本間さんいわく、「絵を描くのって小さい頃から苦手で……前日に下書きして練習しようと思ったくらいです(笑)」。こんなふうに、絵を描くことに苦手意識をもっている方も多いのではないでしょうか。

 今回3名が取り組む「絵を描く」というワークショップは、 “Vision Forest”という組織変革アプローチの一部で、アート教育の企画・運営やアーティストのマネジメントをする株式会社ホワイトシップと、ビジネスコンサルティング・サービスの株式会社シグマクシスが共同で提供しているプログラムです。これまでのべ8,600人ほどが受けたことのあるプログラムですが、今まで描けなかった人はひとりもいない、とのこと。モデレーターであるホワイトシップの長谷部貴美さんの説明を聞きながら、少しずつ3名の表情も和らいでいきます。

 まずは、いきなり描くのではなく絵を鑑賞することからスタートします。ホワイトシップ所属のアーティストである谷澤邦彦さん(通称Kuniさん)の絵を見て、感想をポストイットに書き、絵のまわりに貼っていく。この絵が動いているとしたら、どんなふうに動いているか。音が聞こえるとしたら、どんな音が聞こえるか。五感を開いて絵と向き合います。数分経つと、15個ほどのポストイットが絵のまわりに並びました。

 それぞれの感想を聞いてみると?

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「Kuniさん」こと谷澤邦彦さん

 本間さん「飛行機に乗って上から台風を見たようなイメージです」
 宮坂さん「気体の渦になっていて、一方が裏につながっているように見えました。その裏はちょっと危険な感じもします」
 加納さん「下は渦巻いているけれど、上は波に揺られていて、気持ちが良さそうだなって」

 同じ絵を見ているけれど、感じ取るものは人それぞれ。正解、不正解はありません。それが鑑賞のおもしろさです。だんだんお互いのコメントに質問も出てきて、一緒に絵を描く仲間といった雰囲気が出てきました。作者であるKuniさんからは、「この絵をまた明日見ると、感じ方が違ってくるかもしれません。鑑賞とは“鑑(かがみ)”の賞と書く。自分の気持ちが鏡のように映されるのが鑑賞なんです」という言葉がありました。そう聞くと、これから美術館の絵もまた違った視点で見られそうです。

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