同業他社から学ぶより、
「飛び地」から学ぶべき理由

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同業他社を追随するのは嫌われるが、他業界など自社と遠い領域から学ぶ姿勢は評価されるのはなぜか。ここに模倣と学習の本質がある。

 

模倣される企業の優位性はなぜ崩れないのか

 欧米企業の成功した事例を読んでいて、日本企業には応用しづらいと感じることがあります。たとえば大胆なリストラを経て事業転換した例などです。それは日本企業はトップの決断力がないからというステレオタイプ的な見方からではなく、そもそも解雇規制のハードルが高いといった社会システム上の違いからなどです。先行投資が大きな産業に属する企業も、IT企業のようなリーン・スタートアップ的な事業開発は応用しにくいでしょう。

 しかし得てして、応用や模倣の対象は、自社と共通点が少ない領域からのほうが本質に近づけるという現象もあります。

 同業他社の成功した戦略を自社なりにアレンジして追随する例が多々あります。しかし、よほど資本力などの底力に差がない限り、後発企業が先発企業の優位性を上回ることはできません。せいぜいその優位性を脅かす程度です。先行企業が作り出した追加的な市場のパイの一部を獲得するに過ぎないからです。

 LCCの元祖と言われるサウスウェスト航空は低価格を実現させるために、飛行機の空港での滞在時間を削減する方法を、自動車レースで瞬時に展開されるタイヤ交換から学んだと言われます。トヨタ生産方式も、生産管理の担当者がアメリカでスーパーマーケットの売り場を見たことからアイデアが生まれました。サウスウェスト航空もトヨタ自動車も競合が増え模倣の対象にされるいまでも、他の追随を許しませんが、それは自社の作り上げた優位性の原点が本質的な理解から形成されているからでしょう。

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