考えごとをするのに、
オフィスが適さないのは仕方がないか。

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「会社では集中して仕事ができない」と嘆く人が多い。一方で一人で考え事をするならオフィス以外の場所でも可能である。では理想的なオフィスとは何か。ハーバード・ビジネス・レビューの最新号の特集テーマとともに考える。

 

ひとりで考えること、人から刺激を受けること

 ノマドワーカーに代表されるように、いまナレッジワーカーは働く場所を選ばない時代となりました。クラウド環境がどこにいても情報のやり取りを可能にしてくれるからです。ナレッジとは人の思考から生まれます。では、いまのビジネスパーソンがもっとも求められる「考える」作業に、オフィスは機能的になっているのか。こんな問題意識から、ハーバード・ビジネス・レビューの最新号では、今いちどオフィスの機能を考える特集を組みました。

 目の前の課題を打破する新しいアイデアはいかに生まれるか。まず優れたアウトプットを出すには、高質なインプットが必要です。インプットは本や雑誌、あるいはウェブなどから情報を得ることで蓄えられます。とりわけ本を読むのは集中力が必要であり、誰にも邪魔をされない空間と時間がいります。

 勉強のためならインプットそれ自体が目的化しますが、仕事の場合、アウトプットに結びつける必要があります。そこで、インプットをアウトプットに変換するプロセスこそ、「考える力」の源泉です。この作業こそもっとも集中力を要し、頭を整理し、あらゆる可能性を書きだし、新しいやり方やアイデアを創出する知的作業そのものです。

 一方で、他人と交わることは、このアプトプットを出すうえでとても効果的です。まず自分の知りえないインプットをもらえる。そしてインプットをアウトプットに変換する過程で、自分にはない視点が他人との会話から生まれることがままあります。マーケティングについての新しいアイデアを消費者行動の視点から考えていたところ、過去の社会運動の話しを聞いたことから、まったく異なるアウトプットが生まれるなどといった例です。「人に会う刺激」は、ライブ感とインタラクションから想定外のアイデアが生まれるもので、書籍などから得られる知識とは質的に異なります。多様性の重要性も言われていますが、人と交わることによるアイデア創出の力は、計り知れません。

 この自分で集中して考える時間と、人から刺激をもらう時間。この両輪がすぐれたアイデアの創出につながります。では、オフィスは、この2つの時間を最大限効果的にするように設計されているでしょうか。

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