間仕切り型のオフィスは、従業員に最も嫌われる

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本誌2015年3月号の特集は「オフィスの生産性」。ウェアラブル技術を用いた最新の知見などを基に、最適なオフィス空間を設計するための実践論を提示する。HBR.ORG関連記事の第1回は、職場環境に対する従業員の不満を定量調査した欧米の研究を紹介。間仕切り(パーティション)のマイナス効果が浮き彫りとなった。

 

 職場での私(HBRエディター)の作業スペースは、まるで侵略を続ける専制君主のようだ。何人かのエディターと長机を共用しているのだが、私の持ち物が領地を越えて進軍し、隣接する同僚との中立地帯を侵略している。東側にはガラスのペーパーウェイト騎兵隊が率いる書類や本、付箋の大軍が進出。かたや西側には、トートバッグや領収書、置き去りにされたマグカップたちの部隊が陣取っている。

 しかし最近の研究によれば、幸いにも私の散らかった机を同僚はさほど嫌がっていないようだ。シドニー大学のジョンス・キムとリチャード・デ・ディアの報告によると、オフィス環境における数々の不満の中で、作業スペースの清潔さを気にする人はわずか10%にすぎないという(英語論文。カリフォルニア大学バークレー校の構築環境センターのデータを分析)。ただし、私の職場のように間仕切り(パーティション/キュービクル)のないスペースで働く人々の間では、清潔さを気にする割合はもう少し多い(同僚の持ち物の進軍を阻む城壁がないためだろう)。

 むしろ同僚の気に障るのは、私の話し声のようだ。パソコンに不具合が発生して「死のブルースクリーン」が表示されるとブツブツ悪態をつくし、寄稿者とのとりとめのない電話を1時間も続けたりするからだ(ごめんなさい!)。間仕切りの中で働く人の30%、間仕切りのないスペースで働く人の約25%が、仕事場での雑音に不満を持っているという。

 上記のデータによると、最大の不満は音である。耳に入ってくる音をコントロールできないこと、そして自分の声を周囲に聞かれてしまうことだ。アンケート調査の中で、他の項目に比べてはるかに不満が多かったのが、会話のプライバシーについてである。間仕切りの中で働く人の60%、間仕切りのないスペースで働く人の約半数が不満を訴えている。後者の割合がやや低い理由として、間仕切りがないほうが音の発生源がわかるため、何となく音を制御できるような気になるからだと研究者らは推測している。そして間仕切りのない職場で働く私の経験からすると、多くの人がヘッドホンで音楽を聴き雑音をブロックしているのも理由の1つだと思う。他に不満が多かったのは、周囲の視線からのプライバシーと室温だ。ちなみに強い臭いに関するデータはなかった。

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