知識労働者が自発的に生産性を上げる
3つの方法

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組織の生産性は、目標達成に直結する要素だ。そして従業員自身が納得しない生産性向上施策は、やがて形骸化していく。マネジャーに求められるのは、「従業員が自発的に仕事の効率化を図る、きっかけや仕組み」をつくることだ。本記事ではその3つの方法を提案する。本誌2015年2月号特集「目標達成 結果を出す組織のPDCA」関連記事。

 

 知識労働者は、経営陣の助けを得なくても生産性を20%上げることが可能である。我々はアメリカおよびヨーロッパの8業種39カ国にわたる45人の知識労働者にインタビューを行い、次のことを明らかにした。自分の仕事で価値の低いものを特定し、それらを完全に切り離すか他者に移譲する、もしくは外注することで、知識労働者は1週間のうち約1日に相当する時間をより重要な仕事に振り向けられるようになる(詳細は本誌2014年3月号「マネジメント時間を20%増やす法」を参照)。

 上司の指揮がなくても、チームは自力で生産性を上げられる。経営幹部が支援すれば、できることはいっそう増えるだろう。

 むしろ経営幹部にとっての課題は、ブルーカラーに対して行われてきた従来の押しつけがましいやり方では、脳という生産手段をもつ知識労働者を管理できないということだ。大規模な改革施策や生産性向上の取り組み、インセンティブの見直しなどは効果を上げにくい。納得されなければ反抗や無視にあったり、裏をかかれたりするおそれがある。とはいえ、知識労働者自身にすべて任せてしまうのもよくない。マネジャーとしての責任放棄であるうえに、従業員はなるべく義務を避けようとしたり、優先事項を多く設定しすぎて焦点が見えなくなったりするものだ。

 したがって、中道を選ぶ必要がある。マネジャーは、知識労働者が自発的に生産性改善に取り組むよう仕向け、必要に応じて適宜サポートすればよい。我々の研究および企業との協働経験に基づいて、それぞれ賛否はあるが3つのアプローチを提案したい。

1.厳密な規則を発令し、従業員の行動を強制的に変える
 2011年、フランスのファッション・ブランドであるランバンの当時のCEOティエリ・アンドレッタは、「eメールなしの水曜日」という取り組みを発令した。従業員たちの対話が減ったと感じたためだ。米ミシガン州のソフトウェア会社アトミック・オブジェクトは、より短い時間で焦点を絞った会議を行うために、「立ちっぱなし会議」を実施している。米ヤフーCEOのマリッサ・メイヤーは、コラボレーションとイノベーションを促進するために在宅勤務を廃止した。

 こうした規則にはリスクもつきまとう。人々の日々のルーチンを強制的に変えようとすれば、一部の反発を買うことは避けられない。規則に効力を持たせるには、効果的に実施できること、実施すべき妥当な理由があることが条件であり、発令者がずぶとい神経を持つ必要がある。また、規則は一時的なものとすべきだ。数カ月から1年に限って行動を強制的に変え、その後は従業員自身に新たな働き方の妥当性を判断させるとよい。

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