シスコはチーム目標を
「時間の捻出」×「短期の実験」で達成する

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掲げた目標を確実に遂行し勝っている企業は、いったい何が違うのか。時間の有効活用を目標達成のプロセスに組み込んで実際に着実な成果を上げた、シスコの取り組みを紹介する。本誌2015年2月号特集「目標達成 結果を出す組織のPDCA」関連記事。

 

「ありふれてはいるが、常に不足している資源は何か?」と聞かれたら、答えは間違いなく「時間」である。これは個人だけでなく、チームについてもいえる。組織における時間という資源は、増やすことも再生することもできないのだ。そのため、時間を最大限有効に活用できるか否かは組織の成功を大きく左右する。

 ところが多くのマネジャーは時間について、人材や予算のように限りある資源と見なしていない。したがって、チームの仕事量を調整しないまま、新しい仕事を次々と躊躇なく与えていく。その結果、部下の労働時間は増え、何を優先し何を後回しにできるのかも曖昧になってしまう。社内のあらゆる階層でこの現象が起きているため、ほぼすべての社員がストレスを抱え、過労状態に陥ってしまう。ある上級幹部は、「年間を通して落ち着ける時がありません」と嘆いていた。

 ただし、マネジャーが次の3つのステップを踏めば、この状態を改善し組織の時間をより効果的に使えるようになる。第一に、自分の部署が向こう1~2年で取り組むべき主な目標をはっきりさせ、優先順位を明確にする。第二に、目標を達成に近づける時間を捻出するために、既存の仕事を見直して統合や中止、合理化を図る。第三に、新たに確保した時間と労力を使って短期の実験を行い、目標をより迅速かつ大きな成果を生む形で達成する方法を学ばせる。

 この3ステップを実践している例として、シスコシステムズのアメリカズ・フィールド・マーケティング部門を紹介しよう。約130人から成るこの組織は2年間にわたり、北米・南米・中米で各地域の営業チームと協力しながら、カスタマー・レレバンス(顧客ニーズに対する関連性・妥当性)の向上、需要の創出、顧客ロイヤリティの強化に努めてきた。展示会の企画、ダイレクト・マーケティング、見込み客の発掘、有益な顧客インサイトの創出といった、優れたマーケティング組織がやっている基本的な活動を展開した。

 しかしその間に、顧客のテクノロジーの購入方法やその使用法が変わり始めた。ITの専門家だけでなく、テクノロジーに精通したマネジャーによる購買決定が増えた。基盤技術にユーザー生成型のアプリケーションが加えられるようになった。そしてクラウド・コンピューティングが脚光を浴びるようになった。また、顧客の判断にデジタル・メディアが大きく影響を及ぼすようになった。営業担当者から情報を得るだけでなく、みずから学習し研究するようになっていた。

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