小売業の生き残る道は
「オムニチャネル」「デジカル」にあり

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アマゾンはなぜリアル店舗を出すのか。セブン&アイはなぜ、オンラインとリアルの融合に本腰を入れ始めたのか。前回の記事に続き、eコマース事業者と実店舗の両方が生き残る道として、オムニチャネルとデジカル戦略について考える。

 

eコマースは、革新的なオムニチャネル企業を打ち負かすことはできない――私がこう主張すると、しばしば熱い反応が寄せられる。eコマースの成長は、リアル店舗の小売業の大半を駆逐する間もなく鈍化するだろう、という私の主張は本当に正しいのだろうか。オムニチャネル企業の経済性がオンライン専業の小売企業に劣らないということを、どうすれば証明できるのか。

 まずは成長率から見てみよう。eコマースの売上高を追跡している米機関は、米国統計局、コムスコア、eマーケター、フォレスター・リサーチなどいくつかあるが、どれも似た傾向を示している。たとえばフォレスターによる売上げ上位30の商品カテゴリー(eコマースによる全売上げの97%がここに含まれる)を見ると、eコマースの成長率は経済情勢による変動はあるものの、俯瞰すれば明らかに低下している。

 これは成長のパターンとしてはおなじみのものだ。小売業全体の売上高に占めるeコマースの売上げは、典型的なS字形のロジスティック曲線を描いているように見える。これまでの傾向が今後も続けば、eコマースが占める割合は現在の11%から、2030年には18%にしか増えていないと予測される(カテゴリーによって大きな増減はあるだろう)。

 もちろん、「今後もこの傾向が続けば~」という定番の言い回しが激しい議論を呼びかねないことは承知だ。もしeコマースが、リアル店舗の小売業がとても太刀打ちできないほど圧倒的な経済的優位を確立したらどうなるのか、と問う声もあるだろう。

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