優れた意思決定者の経験を
解析モデルに落とし込む効果

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会社が下す意思決定の種類は多岐にわたる。小さな意思決定は自動化が進み、大規模な意思決定はモンテカルロ・シュミレーションのような高度な分析などが活用されている。まだ十分に研究されていないのが、中規模の意思決定だ。人の知見や判断に対するニーズが完全になくなることはないが、優秀な人材の意思決定ロジックを組み込んだ解析モデルが出てきている。ベイン・アンド・カンパニーの連載「ホワイトカラーの生産性を高める」第7回(毎週金曜、全8回を予定)。

 

 会社が下す意思決定の種類は多岐にわたる。日々の小さな意思決定は、時間をかけて価値を積み上げていくものだ。アマゾンキャピタル・ワンなどでは、それらの小さな意思決定を自動化する方法を見出した。例えば、商品Aを買う顧客に商品Bを推奨すべきかどうか、ある条件の顧客セグメントにはどのような支出上限が適切か、といったものだ。

 一方で大規模な意思決定といえば、200億ドル規模の生産設備をどこに建設するかといった、頻度は低いが非常に重要な戦略的意思決定である。こういった意思決定に際しては、モンテカルロ・シミュレーションのような高度な分析も含めて、できるだけ多くのデータや技術を利用する。しかし、最終的には経営陣の判断によるのだ。

 中規模な意思決定といえば、非常に広範にわたり、まだ十分に研究されていない。比較的頻度も高く個別に重要で、実際の経験値やその応用が求められるようなこれらの意思決定を、いかに最先端の分析をもって早く行えるかは、企業にとっても潜在的に非常に価値があるはずだ。

 例えば、多国籍企業に特化した損害保険会社を想像してみよう。それぞれの顧客について、世界中のあらゆる設備に対して、どれくらいリスクがあるか評価しなければならない。担当者はその判断を求められるが、彼らの経験値にもばらつきがあり、案件によっても難易度は様々だ。

 そこであなたは最も優秀で経験のある担当者のやり方を一般化すべく、優秀な解析担当者を採用すると仮定しよう。意思決定のロジックを組み込んだ解析モデルを構築する。そして、担当者たちはこの解析モデルに従って、意思決定できるようになる。これによって、人間が作業する時ほどは大変ではなくなるだろう。

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